「どうすればCDが売れるのか?」を考えても仕方がない

アイドル以外のCDが売れないと嘆かれるようになって久しいですね。

これは「CDの売り方」をうまく現代に適応させることができたのが、アイドル業界だけだったということです。

しかし音楽業界は「どうすればCDが売れるのか?」を今考えるのはナンセンスです。

 

■変化に対応すること

かつてCDがよく売れた頃の90年代などは、音楽を聴くためには、テレビやラジオか、CDしか手段がありませんでした。

好きな時に好きなだけ音楽を聴くには、CDを手に入れるのが一番手っ取り早かったのです。

その頃から、CDにはコレクターアイテム的な要素はありました。

僕も特に好きなアーティストのCDはすべて買っていましたが、流行り物や定番曲は、レンタルで済ませていたものです。

 

CDに収められている「音楽そのもの」は、やがてインターネットの発展とともに、ネット上に流れ始めました。

音楽の媒体はiTunesなどでの有料配信やYoutubeなどの無料配信(広告収益型)など、様々な形に変化していきました。

同時にスマートフォンやSNSなどの台頭によって、か人々の興味は分散して、好んで音楽を聴く人の数が減少していきました。

技術が進歩し、環境が変われば、それを使う人々の行動も変化していくのです。

 

市場が狭くなれば、顧客単価を上げようという動きが出てきます。

1人の顧客が2枚買えば、1枚のときに比べて売り上げは倍になるのです。

わかりやすい価値を築きやすかったアイドル業界は、様々な囲い込み戦力をかけていきます。

その結果、CDがコレクターアイテム化したのが、現在の「アイドルだけ売れる」状態です。

 

一方で純粋に音楽だけの価値が欲しい音楽ファンは、媒体はなんだっていいのです。

「買ってきたCDをiTunesに取り込んだ後は押入れの中」という状況はなんとももったいない。

スマートフォンを利用して新しい音楽やサービスをどんどん消費していく方に流れるのは、ごく自然のことなのです。

 

■新しい音楽のビジネスモデル構築を目指す

時代に適応してこそのビジネスモデルです。

旧来のやり方はもう通用しないのは仕方のないことなので、必要なのは現代の社会や技術にあった、音楽の新しいビジネスモデルを考えることです。

過去を見て嘆くより、未来を見据えて変化していく心構えが必要です。

 

音楽業界のコアな人はそれをちゃんとわかっていて、新しい市場を生み出そうとして試行錯誤しています。

嘆いているのはメディアだけで、外野が勝手に騒いでいるだけです。

 

デジタル補正した音楽ばかりが潤い発展していくのはやはり寂しい。

願わくば本当に実力のある、魂の音楽を持った人が、より活躍できるような市場が繁栄していってほしいものです。

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