経済的不安に音楽家はどう立ち向かえばいいのか

芸術・文化というジャンルは、有事の際には真っ先に切られてしまう「生活必需ではないもの」という印象を持たれている方も多いと思います。

同時に、人間らしく豊かな暮らしをする上では欠かせないものという理解もいただいていると思います。

その間で板挟みにあっているのが、演奏家や芸術家と呼ばれる人たちです。

 

最近ギリシャの債務不履行問題が取り沙汰されていますが、経済危機が起こるとよく聞こえてくるのが

「伝統の◯◯オーケストラ存続の危機」

といった類のニュースです。

 

■他者の経済状況に依存しがちな文化・芸術

音楽、特に芸術という分野に分類されるクラシックなどの演奏家は、直接収入(チケット代金や物販など)以外に「支援」という形で助成金や寄付金をもらって活動している個人や団体も多くあります。

たとえば、コンサートを開催する場合、助成金や協賛金などを利用して資金を補填します。

音響のよいホールは高額な賃料がかかり、客席を満席にというのはなかなか難しく、出演者のギャラは高い(人数が多い)など、とにかくコストがかかるのがクラシックの演奏会。

芸術音楽の分野というのは、直接収入だけでは成り立ちにくいという現実があります。

 

コンサートだけではなくレッスンや指導(たとえば吹奏楽)なども自治体から補助金があったり、オーケストラのように演奏団体そのものが支援で成り立っているところもあります。

予算の半分近くを自治体の支援でまかなっているケースもあり、そのような団体はある意味自治体と一心同体の関係とも言えます。

自治体の経営が悪化したり、方針が変わったりすると、一夜にして解散の窮地に立たされてしまう可能性もあるのです。

 

■リスク分散を考える

資本主義という社会経済の中にいる以上、わたしたちは経済の影響を受けないわけにはいきません。

自分は自分で守るしかないのです。

いい時もあれば、悪い時もあります。

ひとところに留まるような「安定」を目指すよりは、常に変動しながら一定のレベルを維持するようなイメージの転換が必要です。

 

 

・報酬の出どころはどこか分析する (一つの依頼先に依存していないか?)

・特定の仕事、ジャンルにこだわらず、複数の軸を持つ (楽器が無くてもできる仕事はないか?)

・仕事がなくなったときのことを考えているか? (貯蓄や、すぐに取り掛かれる仕事があるなど)

 

このようなリスク分散ができるように、少しずつ活動の幅を広げていくということが必要だと考えています。

これはスキルや人脈も含めて一朝一夕では不可能なので、日常的に意識して取り組んでいく必要があります。

 

■まとめ

現代は大企業のサラリーマンでも、急に会社が倒産して路頭に迷うことも起こりうる時代です。

音楽家であっても、サラリーマンであっても、抱えているリスクは同じようなものです。

収入源をできるだけ分散できるように、色々なことに挑戦していくことが、結果的に安定へとつながる道だと考えています。

コメント

タイトルとURLをコピーしました