先日、履歴書を見返す機会があったのですが、わたしの履歴書と職務経歴書は傷や穴がたくさんあります。
20代の後半はうつによる浮き沈みが続いていたので、半年足らずで退職していたり、長い空白期間があったりします。
それだけ転職回数も多いので、履歴書を使う面談などではたいていの場合、こんな指摘を受けます。
「今は大丈夫なんですか?」と。
真っ暗だった20代後半
わたしは20代の頃、人生の道標を見失っていました。
いつも心が安定せず、友人や音楽からも遠ざかっていました。
一方で会社や勉強はよく頑張っていて、それなりによい評価をもらっていました。
しかし突然、疲れていたのかストレスだったのか、朝寝坊して会社に遅刻したのがきっかけになって、パニック障害を起こしました。
そして、そのまま会社に行けなくなってしまいました。
がんばりたいのに、やる気はあるのに、心と体がうまくコントロールできない。
そんな自分をひどく責めました。
そして友人も、彼女も、家族も、音楽も、すべて拒絶してしまいました。
会社を辞め、実家へ強制送還され、自立とは程遠い惨めな生活をしばらく続けるうちに、すっかり自信をなくしてしまいました。
勇気を奮い立たせてがんばってはまた自信を失くし、引きこもり、という状態が5年ほど続きました。
毎晩、翌朝起きれるかが不安でたまらなくて、寝るのが怖くて眠れない日々を過ごしました。
「いつ、また引きこもってしまうかもしれない」という恐怖で、毎日不安で潰れてしまいそうでした。
そんな状態では会社勤めもなかなか長続きせず、毎日不安に怯える自分に、自信なんてものははもう残っていませんでした。
うつの正体
わたしの持っていた「うつ」は、自分と向き合うことから逃げていたことが原因だと考えています。
わたしはそれまでの人生であまり苦労しなかったことも大きな要因だったと思います。
そこそこ勉強もでき、そこそこ音楽もでき、大学もストレートで入って、成績も悪くなかった。
そこから社会に出て自立しようとしたら、突然高い壁が立ちはだかったのです。
- 音楽を続けられなかった自分
- 会社に行けなくなってしまった自分
- 朝起きれない自分
- うまく仕事ができない自分
「僕はもっとやれるはずなのに、どうしてこんなにもダメなんだろう」と。
見たくないものには蓋をしてしまって、これは環境や社会のせいで、自分は悪くないのだと。
だから、こんなに惨めな今の自分は「本当の自分自身ではない」と思っていたのです。
現実を見たくないからオンラインゲームで現実逃避をしたり、そうなってしまった原因に向き合うことをしていませんでした。
起きていることはすべて正しい
しかし、一冊の本が「真実」に気づかせてくれました。
30歳の頃、勝間和代さんの著書『起きていることはすべて正しい』という本と出会いました。
その本を読んだとき、雷に打たれたような衝撃を感じました。
勝間さんも仕事に苦しみ、うつになったのに、でも今はすごく輝いている。
勇気づけられたわたしは、それをきっかけにこれまでのことをすべて受け入れることができるようになりました。
音楽を始めたのも
音楽をやめたのも
ITエンジニアになったのも
朝が弱くて遅刻がちなことも
なかなか仕事が続かないことも
すべて自分自身が考え、行動を選んできたことだと理解できたのです。
「そうか、今までのダメな自分も、自分自身なんだね。」と。
今自分の見えている世界は、すべて自分が選び、作り上げてきたものです。
だからこれからの未来は、他の誰でもない自分自身が責任をもって選択して、自分らしく自由に生きていこうと。
未来はこれからの自分次第
自分の中の鬱や不安の正体が理解できてからは、とても気持ちが楽になりました。
自分から逃げることをやめると決めて、逃げ道になっていたオンラインゲームやタバコをやめました。
そして、これからの未来を「自分で作っていく」ことに対して、とてもわくわくしました。
色々な本を読んで勉強しながら、セルフコントロールを身につけていくうちに、少しずつ自信がついてきました。
毎日、毎日、今日もがんばった、今日もがんばった、大丈夫、大丈夫。
心の病は「完治した」というのが明確にはわかりません。
ましてや他人の心の中にうつが残っているかなど、わかるはずもありません。
いくら「今後は大丈夫です」と言ったところで、それを証明する手段はありません。
これからの未来をひとつずつ、がんばれた自分、大丈夫な自分で上書きしていくしかないのです。
新しい道を築いていく
あれから数年。
気づけば、うつや不安を感じることはなくなっていました。
消し去りたいくらいに暗い過去も、自分自身の作ってきた道。
でもそれは途中から、自分自身でがんばって築き上げた「輝く道」が長く伸びているのです。
それこそが、今のわたしの自信につながっています。
そしてわたしは、今日もがんばるのです。
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