東京フィルハーモニー交響楽団第92回オペラシティ定期を聴いてきました。
2014年度のオペラシティ定期、ついに最後の公演です。
年度の最後を締めくくる今回の演奏会は、情熱的な表現に定評があり「炎のコバケン」の愛称で知られる指揮、小林研一郎氏が登場。大好きなヴァイオリニスト堀米ゆず子さんと、コバケンの十八番の幻想が聴けるとあって、とても楽しみにしていた公演です。
第92回オペラシティ定期 プログラム
モーツァルト/ヴァイオリン協奏曲 第3番*
ベルリオーズ/幻想交響曲
指揮: 小林研一郎
*ヴァイオリン: 堀米ゆず子
モーツァルト『ヴァイオリン協奏曲 第3番』
モーツァルトのヴァイオリン協奏曲第3番、ソリストは国際的に活躍する堀米ゆず子さん。彼女の使う楽器グァルネリ・デル・ジェスは、ストラディバリウスと並ぶ名器と言われています。
わたしが堀米さんを聴くのは3度目で、結構縁のある方です。2年ほど前に大好きなシベリウスの協奏曲を東フィルで聴いて感激し、昨年のラフォルジュルネではアルゲリッチ&クレーメルとの共演がとても印象に残っています。今回の出演も、プログラムが発表になった1年前から楽しみにしていました。
モーツァルトの3番という、ヴァイオリンのレパートリーとしては比較的おとなしい曲でしたが、堀米さんの伸びのある力強い音色にひきつけられました。アンコールはバッハ無伴奏パルティータ第3番から。しっとりと聴かせていただきました。
改めて、素晴らしい音楽を奏でる方だなぁと感動しました。他にも色々聴いてみたいので、CD買ってみます。
ベルリオーズ『幻想交響曲』
コバケンの十八番、幻想交響曲(他にもチャイ5とか)。
ここではプログラムノートの詳細な解説が理解を助けてくれるところがとても良かったなと感じました。幻想交響曲は標題音楽の一種なので、登場人物のモチーフになる音型や、それぞれの場面が頭に描けたほうが楽しめます。東フィルのプログラムは毎回読み応えがあって楽しいです。
聴くと、やはり幻想はいいなと。ロマン派の入り口にあって、ベートーベン死後たった3年後の作品にも関わらず、音の輝きやロマンティックな表現はその時代を飛び越えている感があります。
「当時聴いた人はどんな風に感じたんだろうか」
そんな事を考えながら聴いていると、時を越えて愛される音楽は素晴らしいなぁと改めて思いました。
定期会員として1年間聴いてみて
1年間定期会員として聴けて、とても楽しく、心地良い時間を過ごすことができました。
この定期をきっかけに知った曲もあり、都度予習して行くように心がけてはいたものの、改めて音楽の奥深さやわくわくするような高揚感を実感しました。やはりよい演奏会を定期的に聴くということは、芸術的感性や造形を深める上では必要不可欠であると感じています。ホールの空間全体が振動する、あの感覚はオーディオでは再現不可能です。
みなさんも、ぜひ、オーケストラの生の音を聴きに、会場へ足を運んでみてください。
コメント