先日、知人に誘っていただいて、
「音楽×数学!?〜数学がひも解く音楽のヒミツ〜」
という、少し珍しい感じのコンサートに行ってきました。
なんと、後援が「日本数学検定協会」(!)。
素敵です。
このコンサートの主催と企画を手掛け、ご自身もソプラノ歌手として歌われた秋山ゆかりさんは、経営コンサルタントとして企業を経営されています。
数字を扱う専門家でありながら、音楽活動も精力的にされているのです。
ビジネスと音楽活動を両立されているということで、わたしもぜひ見習わせていただきたいところです。
■「数学×音楽!?」斬新な企画のおもしろさ
コンサートはリサイタル形式ですが、歌あり、ピアノソロあり、プロのマジシャンによるマジック(!)あり。
そのどれもが数学に関係したものとして、秋山さんの説明が入るという内容でした。
プログラムは、普通のコンサートでは見かけない図や数式が目をひきます。笑
「ドビュッシーには黄金比、ベートーヴェンには白銀比が使われているんですよ」
とか、ピタゴラスの定理、フィボナッチ数列などが応用されている曲などのお話を聞きながら、
「へ〜〜〜そうなんだ!」
という面白い発見がいくつもありました。
今回のコンサートでは、席数250のJTアートホールがほぼ満席。
主催の秋山さんは著名な方ですし、(言葉を選ばずに言うと)集客力はお持ちだと思いますが、企画の内容自体がとても興味深く、面白いものでした。
「音楽と数学のコンサートってなんだろう?」と、演奏会のチラシを見ただけでも興味をひきますよね。
コンサート後には演奏の感想だけではなく、
「今の曲の中で数学は具体的にどの場所につかわれていたんだろう?」
「他の曲はどうなんだろう?」
など、興味の尾を引くような感覚がありました。
コンサートの内容に感化されて、知的好奇心が刺激されたんですね。
2つの要素を掛け合わせることで、新しい興味や発見が生み出されるよい事例だと感じました。
そしてこの斬新な企画内容の中には、演奏家が学ぶべきことがたくさんあると感じたのです。
■音楽×◯◯、コンサートの独自性とは
東京では毎日数え切れないほどの演奏会が開催されています。
周りと同じような演奏会を企画していたのでは、それだけライバルがたくさんいるということ。
「なぜ、その演奏会へ行くのか?」
この問いかけは集客を考えるときに、必ずついてきます。
今回のような、「音楽と何か別のものを組み合わせる」という発想は、独自性につながって、さらに集客へと結びついていきます。
単に組み合わせるだけではなくて、今回の「数学」のように楽曲を理解する上での手助けになったり、マジックのようにその場をより楽しむためのエッセンスになると、よりよい効果があると思います。
「演奏のみで聴かせるんだ」という心意気も必要かもしれませんが、ライバルの多い「普通のコンサート」よりも、何か「他と違う」ことがあるだけで、幅広い、新しい客層へのアプローチにつながるのではないでしょうか。
演奏を楽しむだけでなく、色々な意味で深く考えさせられた、とても面白いコンサートでした。