音楽家のあり方、社会との関わり方の新しい可能性を感じました。
社会”起業家”は、「事業を通じて世界に貢献していこう」という人のこと。
では「音楽を通じて世界に貢献していこう」という人のことはなんと言うのか。
そんなコンセプトで始まった社会音楽家プロジェクトの、時代に沿ったとも言える新しい試みに興味を惹かれました。
今回は、Classic編の第1回目の演奏会に行って来ました。
ソーシャルメディアを駆使した演奏会
この演奏会、まず目を引いたのは集客方法でした。
SNSを使って無料招待の観客を集め、チケットはスマホアプリで処理をし、当日の模様は後日Youtubeで配信をするという、最近のITトレンドを駆使した仕組みを作っているようです。
わたしもFacebookでこの演奏会の情報を知り、アプリを使って予約をしました。
こういう新しい仕組みを効果的に使ったクラシックの演奏会というのは少ないので、とても興味深く参加出来ました。
無料招待ということで、どうやらすぐに埋まってしまったようで、当初300人だった定員は追加されて400人。
当日の観客数は最大300人ほど集まったそうです。
(事前配布の無料の演奏会はキャンセル出やすい)
コンサートホールの演奏会では珍しく、写真OKだったのでたくさん撮りました。
社会貢献×音楽
演奏5分、プレゼン5分といった感じで、計9組がステージを行いました。
社会音楽家 in Classicと謳ってはいますが、今回演奏されたのは広い意味でのクラシック音楽で、ポップスといえる曲も演奏されました。
「社会貢献」に対するテーマは人によって様々。
生演奏の素晴らしさを伝えようとする人、音楽で世界をつなげようとする人、右手にハンデを持つ人のためのピアノ曲を広めようとする人、etc。。。
トーク、プレゼンのうまさは、その人がどんな活動をしているかで大きく差がありました。
自分自身でプロジェクトを立ち上げて積極的に活動されている人は、やはり話も説得力があって力強かったです。
全員がプロの演奏家というわけではないので、演奏も人によってかなり差がありましたが、演奏の上手い下手に関わらず、信念を持って取り組んでいる人の演奏は訴えるものがありました。
なぜあなたが、それをするべきなのか?
一方で、社会貢献と音楽活動との結びつきが薄く感じる方もいました。
活動を続けていくための継続性を生むためには、協力者や支援者に対して強くアピールする必要があります。
それには
「なぜあなたが、それをするべきなのか?」
を強く意識する必要があります。
社会貢献面は素晴らしいのですが、音楽と結びつき、演奏家であることのプラス要素をあまり感じられなくて、そこまでフォローできていればもっと素晴らしかったのに、という人も。
数年前に右手が不自由になりピアノを自由に弾けなくなった有馬圭亮さんは、左手で弾けるピアノ曲を発掘したり、教えたりしています。
自身に起こった災難を、他人の希望に変えようとする活動をしていて、とても感動しました。
動機から目的意識、それに至るストーリーなどを情熱をもって伝える、そんなプレゼンができたらとても強いんだな、と思いながら聞いていました。
これからも機会を増やして欲しい演奏会
第1回目ということで、目新しさが先に来てしまった感じもあったものの、「新しい動きが始まった」という感覚は十分に感じました。
今回出演した彼らはとても素晴らしい挑戦をしたと思います。
こういった試みがどんどん増えてくると、音楽家の可能性がもっと広がりを見せてくると思います。
次回開催の時は、また聴きに行ってみようと思います。
興味のある方は、オフィシャルWebサイトやFacebookをフォローしておくと、情報が入ってきますよ。
わたしも頑張ろう!
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