今シーズン5回目の定期は、前回の88回定期からたった3週間での開催でした。
本公演の目玉は、間違いなくマエストロ佐渡裕さんでしょう。
「題名のない音楽会」の司会やシエナ・ウインド・オーケストラの首席指揮者、兵庫県立芸術文化センターの芸術監督として、日本の指揮者でもトップクラスに有名な佐渡さん。
2015年からはウィーン・トーンキュンストラー管弦楽団の首席指揮者に就任されるということで、益々のご活躍が楽しみです!
これまで佐渡さんはご縁がなかったのですが、初めて生で見る佐渡さんは、まさしくあの佐渡さんそのままでした。(あたりまえ)
■東京フィルハーモニー交響楽団 第89回オペラシティ定期プログラム
ハイドン/交響曲第6番『朝』
ブルックナー/交響曲第4番『ロマンティック』
指揮: 佐渡裕
■演奏会の感想など
演奏時間が対照的なこの2曲。
ハイドンの交響曲は短いので約25分、対してブルックナーの交響曲は約70分というボリューム。
この対比を楽しめと言わんばかりの選曲ですね。
前半が25分しかなくて、普通に15分休憩に入ったので、何か不思議な感覚でした。笑
この定期演奏会のポイントは、まさしく「対比」だと感じました。
ハイドンとブルックナーは同じオーストリア-ウィーンの作曲家ですが、この2つの作品の作曲年はちょうど100年ほど差があります。
100曲を越える交響曲を作ったハイドンと、9つの交響曲を作品の中心としたブルックナー。
「交響曲」というジャンルができ始めてまだバロックの面影が残るハイドンと、ロマン派ど真ん中のワーグナーやブラームスの影響のあるブルックナー。
演奏人数は約20人ほどの『朝』と、約50人のフルオーケストラで演奏される『ロマンティック』。
先に挙げた演奏時間に至っては、なんと約3倍です。
しかしおもしろいことに、曲の冒頭の印象はどちらも
何かが始まる予感がする夜明け
のような感覚を覚えるのです。
そこからの展開は全然違うのですが・・・
さらさらと流れていくさわやかなハイドンの音楽と、しつこいくらいに訴えかけてくるブルックナーの音楽の対比を存分に楽しむことが出来ました。
■マエストロ佐渡の世界
正直なところ割と地味な選曲だと思うのですが、佐渡さんの躍動感のある指揮と音楽が、観客を楽しませてくれました。
メディアでよくお見かけする佐渡さんですが、純粋に音楽だけを聴かせていただけたのはとても新鮮で、素晴らしいと感じました。
佐渡さん効果だと思うのですが、観客の動員は7~8割程度でまずまずといったところ。
しかし演奏後は「ブラボー」の嵐で、スタンディングオベーションをする方の姿も。
普通の演奏会でスタンディング、そうそうありません。
マエストロの人気の高さを改めて感じた演奏会でした。
次回は年が明けて1月、大学オケで共演した阪哲郎さんの指揮で、ドボコンとベートーヴェンの交響曲7番、楽しみです!!
コメント