【管弦楽】東京フィルハーモニー交響楽団 第88回オペラシティ定期を聴いてきました!

バケーションシーズンを挟んで3ヶ月ぶりとなった、今シーズン4回目の東フィルオペラシティ定期を聴いてきました。

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わたしが東フィルスタッフの時代に、ベートーヴェンのピアノ協奏曲を聴いて衝撃を受けたミハイル・プレトニョフ氏。

ちょうど彼が指揮者として東フィルを振り始めたのもその時期で、わたしもマエストロとしてのプレトニョフを見たことがあったので、とても楽しみにしていた公演でした。

 

東京フィルハーモニー交響楽団 第88回オペラシティ定期プログラム

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ショパン[プレトニョフ編]/ピアノ協奏曲第1番 *

スクリャービン/交響曲第1番 **

 

指揮: ミハイル・プレトニョフ

ピアノ: チョ・ソンジン*

メゾ・ソプラノ: 小山由美**

テノール: 福井敬**

合唱: 新国立劇場合唱団**

演奏会の感想など

今回の演奏会はミハイル・プレトニョフ氏に焦点を当てたプログラムでした。

ロシア生まれで世界的に有名なピアニストとして活躍したあと、現在は指揮者として精力的に活動しているプレトニョフ氏。

その彼が現代のオーケストラ向けにアレンジしたというショパンのピアノ・コンチェルトと、ロシアの作曲家でピアノの名手だったスクリャービンの交響曲という選曲でした。

 

ショパンのピアノ・コンチェルトは「のだめ」がイギリスでデビューしたときに弾いたことでも有名になりました。

わたしもそれをきっかけによく聴くようになって、とても気に入っている曲です。

今回のソリスト、若干20歳のチョ・ソンジンは、かのチョン・ミョンフンに認められた韓国出身のピアニストです。

繊細でやわらかなタッチが印象的で、言葉を選ばずに言うと、いまどきの「韓流」的な印象とだぶるところがありましたね。

普段聴いているのがタッチが強くて男性的なアルゲリッチの盤なだけに、特に冒頭のピアノソロが入った瞬間、そのギャップに驚きました。

全体を通して、チョ・ソンジンのやさしさが溢れる演奏で、特に2楽章の緩徐楽章が最高に素晴らしく、とても心地よい時間を過ごしました。

プレトニョフが編曲したというこのコンチェルトは、まずトロンボーンが省かれていて、木管楽器特にクラリネットが強調されていました。

ピアノソロ部分を木管セクションが演奏したりと、所々で「おっ?」と感じるところがありましたね。

ぜひこの編曲で本人に録音してほしいものですね。

 

後半はスクリャービンの交響曲1番。

19世紀後半のロマン派末期から20世紀初頭に生きたスクリャービンが28歳に書いた初の交響曲です。

曲の終盤に歌のソロと合唱が入るのが大きな特徴で、芸術の素晴らしさを繰り返し歌い上げながら、ある意味「わかりやすい」くらいに壮大な雰囲気で終わるという、なかなか印象的な曲でした。

小山由美さんと福井敬さんのソロも素晴らしく、お二人の歌はもっと聴きたかったですね~。

合唱も50人ほどはいたので、とても豪華でした。

スクリャービンはもとはピアニストで、あのラフマニノフと同級生だったそうです。

歴史的にピアニストが作曲することは多いですが、現代では指揮者として活躍するケースも多く、今回はその転身ぶりをプレトニョフと重ねていることを感じずにはいられませんでした。

観客動員とキャスティングの関係

会場の観客の入りは約9割ほどで、とてもよく入っている印象でした。

新進の若手ピアニストにショパン、歌のお二人のファンも多いでしょうから、動員数が増える要因が多かったと思います。

スクリャービンはマイナーイメージなので、観客の動員はやはり選曲よりもキャスティングの要因が大きいと感じました。

もちろん、わたしを含めて指揮者プレトニョフファンもいることでしょう。

演奏会に行くとほんとうに勉強することが多いですね。

 

さて、次回は来月11月、佐渡裕さんの指揮でブルックナーです!

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