大学の後輩、櫻田はるかさんのリサイタルに行って来ました。
櫻田さんは最近よく演奏を聴く機会があって、つい先日もオーケストラの演奏会に誘っていただいたり、聴きに行った東京佼成ウインドオーケストラの演奏会にエキストラで参加されていたりしました。
演奏活動を忙しくされている中でのリサイタルということで大変だったと思いますが、櫻田さんらしい素晴らしい演奏が聴けました。
打ち上げまで参加させていただいて、いろいろな交流ができてよい休日になりました。
■日本演奏連盟主催のリサイタル
今回のリサイタルは、文化庁の委託を受けて公益法人日本演奏連盟が主催しているものです。
「次代の文化を創造する新進芸術家育成事業」という事業の一環で、オーディションに合格した若手演奏家に対して、リサイタル開催のバックアップをするというもの。
リサイタルというのは、演奏面だけでなく、会場の準備やポスター・チラシ・プログラムなどの配布物、宣伝、当日の会場運営など大変な負担がかかります。
個人での開催は、費用面や実務面でもとてもむずかしいということで、国の事業として若い演奏家を支援しているんですね。
会場はオペラシティ・リサイタルホールというとても素敵な場所ですし、今回のチラシやポスターの写真もとても良く出来ていて、驚きました。
このために業界では有名なカメラマンに撮ってもらえるんだそうです。
月に1度は開催されているとのことでチャンスもそこそこありますから、未来の演奏家を目指す方々は、どんどん挑戦していただきたいですね。
■櫻田はるか クラリネット・リサイタル プログラム
ドビュッシー/第一狂詩曲
ストラヴィンスキー/クラリネット独奏のための3つの小品
A.シャボー編/チャイコフスキー『くるみ割り人形』の主題による変奏曲
マントヴァーニ/バグ
フランセ/主題と変奏
サン=サーンス/クラリネットソナタ
ピアノ: 仲地 朋子
櫻田さんはフランス留学に留学していたので、フランスの作品が中心のプログラムでした。
技術的に難易度の高い作品がたくさんありましたが、ものすごく速いパッセージでも微動だにせずに吹ききってしまう彼女のテクニックが目立ちました。
中でも『くるみ割り人形』編の曲(まだあまり知られてないと思いますが)が、よく知られたバレエの曲をベースにソリストの超絶技巧を散りばめた、とても鮮やかで素敵な曲でした。
序盤は緊張が見て取れるほどの雰囲気だったのですが、後半に行くほどリラックスしてきたような印象でした。
客演演奏家として活躍している彼女ですが、リサイタルというのはそれほどまでに大変なものなんだなあと感じました。
すでに下地となる技術力は十分に備わっている彼女ですから、今後のさらなる活躍が楽しみです。
また懲りずに演奏会誘ってください。笑
今回感じた大きな気付きとして、伴奏ピアニストの力がありました。
ピアニストの仲地さんは、クラリネット界では有名な伴奏ピアニストの方で、とても安定していて表現も豊かで、聴いていて安心できます。
音楽のなかでソリストにぴったりと寄り添いながら、ソリストの音や動きを瞬時に察して、時には後押ししたり引いてみたりと、表現の手助けをしてくれているように感じました。
単旋律のクラリネットからすればピアノはオーケストラのようなもので、後ろから音楽を支えてくれる伴奏ピアニストの職人技の素晴らしさを再認識しました。
今回は打ち上げにも参加させていただきました。
櫻田さんや仲地さん、大学卒業以来の人や初めてお会いする方々まで、たくさんのひととお話ができました。
音楽の現場にいないわたしとしては、とても重要な情報収集の場所。
楽しみながらいろいろな音楽話が聞けて嬉しい夜でした。
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