母校、国立音楽大学のブラスオルケスター定期演奏会へ行ってきました。
国立音楽大学ブラスオルケスターは、管楽器専攻の吹奏楽受講者による演奏会の一つです。
学生からは「ブラオケ」の愛称で呼ばれていて、私も学生時代には様々な思い出があって印象に残っている授業でした。
今回は、卒業して初めて、ブラオケの演奏会に行くということでとても楽しみにしていきました。
■国立音楽大学 第55回ブラスオルケスター定期演奏会 プログラム
指揮:フランソワ・ブーランジェ(パリ・ギャルド指揮者)
クラリネット独奏:武田忠義(国立音楽大学教授)
プロコフィエフ/バレエ組曲「ロメオとジュリエット」より
ヴェルディ(L.バッシ)/歌劇「リゴレット」の主題による演奏会用幻想曲
ブートリー/生きる喜び
ホルスト/組曲「惑星」より 木星
レスピーギ/交響詩「ローマの松」
(アンコール)
リムスキー=コルサコフ/熊蜂の飛行
ヨハン・シュトラウス/ラデツキー行進曲
■ギャルド色のブラオケが新鮮でした!
指揮はギャルド・レピュブリケーヌ管弦楽団(パリ・ギャルド)の楽長および指揮者、フランソワ・ブーランジェさん。
6年連続で指揮を執られているようで、ステージ編成もパリ・ギャルドで利用される形態が取られていました。
通常の吹奏楽のステージ編成・・・木管楽器が指揮者を囲むように扇状に展開、その後部に金管楽器が横に並ぶ
パリ・ギャルドのステージ編成・・・後部のオーケストラの管楽器配置+前部にクラリネット・サックス・サクソルン族・チューバでオーケストラにおける弦楽器に相当する編成を作る
チューニングもB♭とAの両方を使い分けていたりと、珍しいことが多くて面白いと思いました。
ブーランジェさんは指揮が軽やかで勇ましく、そこから奏でるクリアなサウンドが印象的でした。(途中でジャンプしてましたw)
ギャルドを生で聴いてみたくなりますね!
アンコールも、ギャルドのお家芸といえる『熊蜂の飛行』を披露してくれました。
■演奏会の感想など
単純に演奏会としての側面と、自身の学生時代の思い出と重なる部分と、2つの視点で楽しめました。
ギャルド風の編成やサウンドにアレンジされたブラオケは、新鮮な感じがしました。
ブーランジェの軽やかな指揮と、学生の若々しい勢いのある演奏がとてもマッチして、全体的に爽やかな演奏会でした。
技術的にはさすが音大生ですが、演奏会冒頭の立ち上がりが良くなかったり、事故が多発したりとまだまだ若いな〜と思いながら聴いていました。
その中でも光を放っている人はやはりいるもので、今回も「これは!」という人が何人かいました。
学生の頃から目立つ人はこういうところで見出されたりしますし、うまくチャンスを掴んでいただきたいですね。
一方で客席の埋まり具合はあまり芳しくなく、最終的には7〜8割ほど入っていましたが、前半は半分くらいの入りで少し残念でしたね。
チケットの種類はS/A/学生席でしたが、S席が売れていないようでしたので、もっと一般向けのアプローチを強化したほうが良さそうだなーと思いつつ。
お客さんに来てもらうということは、音楽を志すものには切っても切れないことですから、学生自身でチケットを売る、というプロモーションの部分はもっともっと努力してもらいたいところですね。(と、学生時代の自分に言いたいw)
ギャルドの指揮者がいて、若くて優秀な素材があるので、身内だけに聴かせるのはもったいないと思います。
東京芸術劇場の2,000人程度なら、埋めるのはそれほど難しくないはずです。
■プロでもアマでもない若き演奏家たち
今回の曲目では、わたし自身が演奏したことのある曲もあり、かなり主観が入ってしまいましたが、とても楽しめました。
同時に、「学生の演奏会のレベルってこれくらい」というのを客観的に聴くことができたので参考になりました。
アマチュアでもなく、プロでもない複雑なポジションの彼らですが、若き演奏家たちの可能性をいっぱいに感じることができました。
恩師、武田先生のクラリネット独奏は今も鮮やかで、ご健在ぶりが伺えて幸せでした。お会いしたかった・・・
演奏会に来ていたクラリネットの後輩2人と再会できて、少し話もできて嬉しかったです。
とても収穫が多く、幸せな夜でした。
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