今シーズン2回目の東フィルオペラシティ定期に行ってきました。
今回の公演はドヴォルザークの『新世界より』が予定されていたのですが、ベートーヴェンの『交響曲第3番 英雄』とリヒャルトシュトラウスの『英雄の生涯』のW英雄プログラムに変更になりました。
今年はリヒャルトシュトラウス生誕150年で、各所でそれにちなんだ公演がされています。
東フィルもこの6月のサントリー定期ではリヒャルト・シュトラウスの他の楽曲を揃えたプログラムになっていました。
さらにオペラ『アラベッラ』も新国立劇場で行われていて、まさにリヒャルトシュトラウス祭りです。
新世界も聴きたかったけど、W英雄もいい!ということで、わくわくして会場へ。
会場へ到着すると、当日券を求める方で入場口がごった返していました。
当日学生券(1000円!)も出ていたので、当日入りもそこそこあったのかと思います。
客席は8割ほど埋まっていて、平日の夜に行われる定期演奏会にしてはまずまずの入りで、注目の高さが伺えました。
■第86回東京オペラシティ定期 プログラム
指揮:ベルトラン・ド・ビリー
ベートーヴェン/交響曲 第3番『英雄』
R. シュトラウス/交響詩 『英雄の生涯』
■演奏会の感想など
フランス生まれの指揮者ベルトラン・ド・ビリーは、オペラでかなり活躍されている方で、直近も新国立劇場のリヒャルト・シュトラウス作『アラベッラ』で指揮を振っていました。
指揮の印象はとても軽やかで、フランス的というか、色鮮やかで華やかな音楽を作る人だと感じました。
ベートーヴェンの第1楽章が始まった瞬間、驚くほどテンポは速く、軽やか。
全楽章通してその印象は変わらず、とても流麗な英雄でした。
私の知っている英雄の、どれよりも速いテンポでした。
普段はウィーンフィルのベートーヴェンを聴いているのですが、こういうベートーヴェンも素敵だな~と感じました。
リヒャルト・シュトラウスの英雄の生涯、この曲の聴きどころはなんといってもヴァイオリンソロです。
東フィルの誇るソロ・コンサートマスターの荒井さんが担当し、「英雄の妻」を表現します。
荒井さんの柔らかい響きと優しい歌がとても心地よく、聴き惚れてしまいました。
『英雄の生涯』はとても有名で人気もあって、よく演奏されるのですが、ここ最近よく聴いていたので徐々に演奏のストーリーも理解が深まり、とても好きになってきました。
交響詩は明確にイメージできるものがあるので、聴くときの助けになるから、聴きやすいんだと思います。
一般受けしやすいところも、そんなところに理由があるのかな?と感じました。
余談ですが、今回は大学の同級生が2人と、在学中お世話になった先生もオーケストラに乗っていて、とても嬉しかったです。
団員さんも顔を知っている人たちが多くて、そういうオーケストラは他にはないので、やはり東フィルはいいな~と思います。
演奏面では少し気になったところがいくつかありました。
東フィルでは珍しく、英雄の生涯では、演奏やハーモニーが乱れるところがあったんですねー。
100人を越える編成でエキストラの方も大勢いたようですし、普通はどちらもメインになるような大曲ということもあって、かなり大変なプログラムだったと思います。
聴く方もおなかいっぱいだったので、アンコールなしは大正解でした!
■ひと月半に1回の至福のひととき
東フィル定期、好きなオーケストラの素敵な響きに包まれる時間は、とても楽しいものです。
これが1回2,000円で聴けるので、本当に嬉しい体験をさせてもらっています。
次回は7月、私も大学定期で演奏したことのある、思い出のブラームス交響曲2番。
すごく楽しみです!
東京フィルハーモニー交響楽団 Tokyo Philharmonic Orchestra
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