ビジネスモデルとは、儲けの仕組みです。
「どのようにして稼ぐのか」はビジネスの基礎となることで、これを考えることが経営者の仕事とも言えます。
ビジネスモデルがうまく回らなくなると、利益を上げることが難しくなって、経営が苦しくなっていくことを意味します。
家庭用プリンター市場の変化
エプソンがインクで儲ける仕組みから脱却する日(PC Watch)
みなさんもご存知かと思いますが、現在の国内の家庭用プリンタ市場は、インクを売って利益を回収するビジネスモデルになっています。
家庭での写真印刷は、デジカメやスマートデバイスの台頭、店頭印刷に押されて縮小気味。
年賀状印刷も年々減少傾向にあって、家庭用プリンタの需要そのものが下がってきていると言われています。
そのため、家庭用プリンターは本体価格をギリギリまで下げて、とにかく買ってもらってインクで利益を回収するというビジネスモデルに移行して行きました。
互換インクによって崩れ始めた収益構造
ところが、そこに互換インクという伏兵が現れます。
純正インクの価格が高止まりする分、安い互換インクを使う人が増えて、販売数が伸びていきました。
メーカーはプリンタ本体で利益が回収できず、インクも売れないので、儲けがほとんどないという状態になってしまったのです。
メーカーは純正インクのメリットや互換インクのデメリットを説明しますが、それでも互換インクを使う人は少なからずいます。
この傾向は特に海外の新興国で目立っているので、いよいよ販売方針の転換をしたメーカーが出てきました。
海外向けからビジネスモデルをチェンジ
大手プリンターメーカーのエプソンは、大容量インクモデルというのを新興国向けに投入して、本体価格でコストを回収できるようなビジネスモデルに切り替えを図ろうとし始めました。
当然価格は高くなりますが、一度インクを替えると当分使えますし、元々壊れにくいというメリットが活かせます。
日本の家庭用プリンター市場向けには当面は投入予定はなさそうですが、このようなビジネスモデルの転換を見るのはとてもおもしろいです。
エプソンは積極的に新しいビジネスモデルにチャレンジしていて、過去にもビジネスインクジェットプリンターというジャンルを開拓しています。
ビジネスインクジェットは、普通紙印刷・印刷枚数が多いというビジネス用途に特化して、両面印刷や高耐久性を兼ね備えたプリンターです。
私が使っているのもこのビジネスインクジェットで、とても使いやすくて気に入っています。
私たちも「どうやったら売れるか」を考え続けることが大切
一度作ったビジネスモデルは、いずれ必ずうまくいかなくなっていきます。
音楽ビジネスだって、CDが売れなくなったり、音楽配信が普及したり、クラシックの演奏会に客が入らなかったり、Youtubeなどで無料である程度音楽が聴けるようになったりと、様々な変化があります。
これは世界が回っている以上、止めようのないことなので、絶えず新しい流れに適応していく必要があります。
適応できなかった場合や、何もしなかった場合は、市場の原理によりだんだんと収益が下がっていってしまうことになります。
環境や他人のせいにするのではなく、積極的に「何をどうやったら売れるのか」「どうやったらお客さんがきてくれるのか」を考えて、試していくことが大切です。
みなさんの、今携わっているビジネスや仕事のビジネスモデルはちゃんと利益を上げることができていますか?
コメント