今日は東京フィルハーモニー交響楽団の第85回東京オペラシティ定期を聴いてきました。
実はオーケストラの演奏会は久しぶりだったのですが、本当に幸せな時間が過ごせました。
やっぱり音楽は素晴らしいな、と再確認しました。
興奮冷めやらぬまま、心に残る音楽の余韻に浸りながら、オペラシティから歩いて自宅に帰る。
新宿に住んでやりたかったことが、これでまた1つ実現出来ました(*^^)v
東フィルと私
以前も書きましたが、私は東フィルさんは一番縁のあるオケで、大学在学中から数年間オーケストラのステージスタッフのアルバイトをしていました。
実はオーケストラ事務局の採用面接も受けたことがあります。(残念ながら最終選考止まりでした)
(向こうが知っているかはともかく)出演者やスタッフの方々も顔を知っているのでとても親近感があって、バイト時代に慣れ親しんだ東フィルサウンドが大好きなのです。
ホールはオペラシティが一番好きで、東フィルの事務局もオペラシティの中にあったのでよく出入りしていて、それがきっかけで今オペラシティから徒歩圏内の場所に住んでいます。
今日のように、演奏会に気軽に行って帰って来れるような環境に身を置きたいと思ったからです。
そして今シーズンからは、定期会員として度々演奏を聴きに行くことができるようになりました。
第85回東京オペラシティ定期 プログラム
プログラムは以下の内容でした。
指揮: 尾高忠明
ヴァイオリン: 竹澤恭子
三善晃: オーケストラのためのノエシス
ブルッフ: ヴァイオリン協奏曲第1番
ブラームス: 交響曲第1番
演奏会の感想など
まず、久しぶりの生オーケストラ演奏会だったので、生音の響きに鳥肌が立ちました。
それほど、オーディオで聴く音とは違うものです。
コンサートホールの静寂と、オーディオでは体感できない極小音での音は本当にしびれます。
三善晃作『オーケストラのためのノエシス』は、昨年惜しくも亡くなられた三善晃先生が東フィルのために作曲した曲。
ノエシスとは、ドイツの哲学者フッサールの「現象学」で唱えられた概念の1つだそうです。
音があるから曲になるのか、曲があるから音があるのか。
音と曲の関係を哲学的思考で表現しようとした曲です、深いですね~。
現代音楽はあまり得意ではありませんが、コンセプトはとてもおもしろく、楽しめました。
ブルッフ作『ヴァイオリン協奏曲第1番』は、今回特に楽しみにしていた曲です。
大学時代の後半からヴァイオリンの響きが大好きになったので、今回のブルッフはとても楽しみでした。
恥ずかしながらこれまで聴いたことがなかったので、NMLを活用して5人ほどの音源を聴きまくり、ブルッフや楽曲に関しても知識を入れてから望みました。
音源を初めて聴いた時からすでに曲のことは好きになっていたので、今日は本当に楽しめました。
ソリストの竹澤恭子さんは、国際舞台で活躍されているヴァイオリニストで、私の印象では「情感たっぷりに歌い上げる」という感じでした。
ブルッフの1楽章や3楽章など、勇ましく芯のあるところは不動の演奏法で力強く、迫力がありました。
しかし2楽章では、しっとりとしながらも優しく包まれるような音楽を奏でてくれて、本当に幸せな瞬間でした。
静かなフレーズのときに弓を返した時の「ふっ」と力の抜ける表現が素敵で、すごく心地がよかったのが印象的でした。
管楽器にはちょっと難しそうな表現だなぁ。
アンコールのバッハの無伴奏もブラボーでした~~~!
竹澤恭子さん、すっかりファンになっちゃいました♪
ブラームス作『交響曲第1番』、Facebookでやっている朝の音楽でも取り上げましたが、交響曲の中でも人気の高い定番曲です。
最初のティンパニの連打がとても印象的な重々しい雰囲気から始まり、終盤に行くに連れてどんどん希望や歓喜を感じる曲調へ変化していくのは、ベートーヴェンの『運命』を彷彿とさせます。
さらに4楽章の穏やかな旋律はこれまたベートーヴェンの『第九』を連想させるのです。
コンチェルト(協奏曲)と比べると編成も大きくなるので、オケの響きがダイナミックになり、曲調とも重なってとても重厚な、そして後半の輝かしい旋律は喜びが溢れるようで、聴いていて幸せでした。
拍手喝采で無事演奏会が終わり、余韻に浸りながら歩いて家路につきながら、喜びを噛み締めた春の夜でした。
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