
やりたい曲があっても、わざわざ楽譜を買うのって面倒だったりしますよね。
著作権フリーの楽譜データがダウンロードできるサイトがあったら使ってみたいと思いませんか?
著作権は作曲者の死後、消滅することは知られていますよね。
その「著作権がなくなった状態の楽譜」を集めた『IMSLP』というサイトをご紹介します。

クラシック音楽には楽譜が必要です
クラシック音楽は、ほとんどの場合において、演奏に楽譜を必要とします。
それは基本的にクラシック音楽が、作曲者の意図を再現するという「再現芸術」だからです。
例えば「ベートーヴェンのピアノソナタを弾きたい」と思ったら、「ピアノという楽器」と「ベートーヴェンピアノソナタ○○番の楽譜」がないといけないということです。
曲を丸ごと暗記(暗譜)しているような人もいますが、そういう人も最初は楽譜を見て練習したはずです。
楽譜は昔から、楽器屋さんに行って買うものというイメージが定着していました。
しかし最近ではインターネット上の楽譜販売サイトなどから、データで手に入れるということもできるようになっているようです。
作曲家と著作権
楽譜に限らず一般の書籍も同じですが、著作物にはそれを作った人の権利を保護する著作権法というものが適用されています。
勝手にコピーしたり、真似をしたりすることは、法律で禁止されています。
しかし、日本では著作者が死んでから50年以上経つと、著作権は消滅することになります。
※欧州などの他国では70年のところもあるので注意。
パブリックドメインについて
著作権が消滅した(もしくは発生していない)状態をパブリックドメインといいます。
楽譜に関してざっくり言うと、作編曲者の死後50年経過したものについては、著作権がない状態(=パブリックドメイン)ということです。
パブリックドメインになっている作品に関しては、コンサートで演奏する際にもJASRACへの申請が必要なかったり、インターネット上でコピーが出回っていても問題ないということです。
※書籍も、パブリックドメインになっている夏目漱石などの小説が青空文庫のようなサイトで読めます。
IMSLPはパブリックドメインの楽譜ライブラリ
このサイトは、著作権が消滅した楽譜/録音を集めているWeb上のライブラリです。
2006年に設立され、現在76,000曲、270,000冊(執筆当時)が所蔵されています。
様々な検索方法を使って楽譜を探し出し、楽譜はPDFでダウンロードすることができます。
ベートーヴェンのピアノソナタが弾きたい!と思ったら、ダウンロードしてプリントアウトしたらOKなのです。
場合によってはモニター表示のままでもいいかもしれませんね。
IMSLPに対応したiOSアプリなどもあるようです。
個人的にはパソコンが使えるので、PDFでダウンロードすると使い勝手がよかったです。
また、曲によっては録音データがあったりするので、とても便利です。
IMSLPを初めて知った時、「学生の頃にこれがあったらな~~~」と、ちょっと悔しい思いでした。
自分の取り組む楽譜や音源は、大学の図書館に行ってコピー/製本していましたので、かなり手間がかかっていました。
Webでほとんどの資料が揃ってしまうという時代になっていますから、とても効率が良くなっていて、今の学生などは羨ましいですね。
パブリックドメイン楽譜の活用方法
利用できる作曲家は死後50年経過という条件なので、ドビュッシーやドヴォルザークなどは余裕で、ラフマニノフもOK、ストラヴィンスキーは長生きされたのでまだダメです。
楽譜は厳密に言うと出版社によって版が新しくなり、楽譜に修正が入ったものもあったりします。
IMSLP上のアップロードされている楽譜はとても古いものや版がはっきりしないものも多く、玉石混交であるとも言えます。
ですので一概にIMSLPさえあればすべてOKというわけではないのですが、手軽さや効率においてはとてもよいサービスだと思います。
思い立ったら調べて楽譜を見れるわけですからね。
A4普通紙にプリントアウトされた楽譜はなんとも味気ないですし、iPadで表示された楽譜も慣れませんが、今後は楽譜のデータ化などもどんどん進んでいくのだと思います。
現在は過渡期のため、紙をデータ化したものにとどまっていますが、手軽に楽譜が手に入るようになったので、これを利用してもっと音楽活動が活発になってくれればよいですね。

↓楽譜データを見るなら今のところiPadが定番。お買い得な整備済み品がオススメ。
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