Facebookでこんな記事を見かけました。
それで、あれれ、もしかして現代は全員が限りなくプロに近いセミプロで、どの業界も「やりたい人からお金を貰う」というシステムになっているのかなって考え始めました。
中略
そして、インターネット上にある動画投稿サイトやブログ・サービス、SNSといった全てのサービスが、そんな「やりたい人からお金を貰う」というシステムになっています。
それで思うのは、この「やりたい人からお金を貰う」っていうのはもう世の中の流れで仕方がないことなんだなってことです。
世の中が豊かになり、人々が自由にやりたいことに挑戦できる時代になったからこその変化だと思います。
芸術音楽の世界も例外でなく、クラシックの演奏会を聴きにくるお客様には、「自分も音楽をやっている人」も多くいらっしゃいます。
■クラシック演奏会のお客様
吹奏楽の演奏会に行けば、制服姿で楽器ケースを担いだ学生たちがたくさんいます。
私の友人たちのような若い演奏家が集まっているような演奏会も、その性質がすこし強いと思っています。
職業演奏家の交友関係は演奏家同士が多いため、特に小さい演奏会で演奏者がチケットをある程度の数をさばくような場合は、出演者の弟子や仲間に声をかけることも多いためです。
私も昔は演奏会のチケットノルマがあるときは、身近な音楽をやっている人から声をかけていたものですから、気持ちはよくわかります。
都内の有名オーケストラなどの演奏会になると、商業的要素が強くなり、メディアを利用した広報宣伝活動をしっかりと行うため、「(演奏はしないけれど)音楽を聴くことが好きな人」の割合も増えます。
色々な演奏会に行って、どんなお客様が多いかを見渡してみるのも、演奏会の特徴がわかって面白いですよ。
■アマチュアのセミプロ化による影響
最近はアマチュアの演奏技術も向上し、楽器もそれこそ職業演奏家よりも高価なものを使っていることも多いです。
決して高価なものがいいというわけではありませんが、むしろ本職の職業演奏家の方が資金に乏しいケースも少なくないと思います。
楽器屋さんはスタープレイヤーを広告にして、アマチュア向けの楽器販売で稼ぐことがビジネスの中心になっています。
そしてアマチュア演奏家全体のレベルもどんどん上がっていって、テクニック的には、徐々にプロとの差が縮まっているのではと思います。
演奏技術が上手い下手ではなく、本当に芸樹的に優れているかどうかは、芸術に造詣が深くないとわからないので、聴き手のレベルも問われてしまいます。
■プロは、より洗練されなければ生き残れない時代
地方などの各種イベントなど、その場を盛り上げたり楽しむための音楽の場合は、アマチュア楽団でも十分な演奏を披露してくれるため、プロの楽団は必要ありません。
昔は数少ないプロの演奏家でしかできなかったことが、アマチュアでもできるような時代になってきているのです。
職業演奏家たちは、アマチュアとの違いは何なのか、その付加価値を今以上に考えていく必要があるのではと考えています。
その演奏家の価値を高めていくことに対して、私も及ばずながら尽力していきたいと思っています。
コメント