ESCAPE RXフルカスタム紹介【1×11速化クロスバイク】

ジャイアントのクロスバイク「ESCAPE RX / エスケープRX」を納車して5年が経ちました。

僕はロードバイクも所持しているので、ESCAPE RXは主に街乗りや通勤中心で使っています。

以前「GIANT ESCAPE RX3を買って1年間でカスタムしたこと全部紹介!」という記事を書いて、たくさんの人に読んでいただいていますが、そこからさらに4年が経過。

納車5年を目前とした2020年11月に、ついにコンポ総入れ替えという大手術を施し、フロントシングル、リア11速化を果たしました。

フレーム以外ほぼフルカスタム状態に生まれ変わっているので、改めて紹介したいと思います。

クロスバイク改造の参考になれば嬉しいです。

クロスバイク「GIANT ESCAPE RX」フルカスタムのスペック

まずは全体のパーツ構成を紹介しておきましょう。

ベースになっているのは、GIANTの定番クロスバイクESCAPEのスポーツモデル「ESCAPE RX3」です。

※ベース車のスペックは上記のリンクから公式サイトを参照ください。

重量は、サドルバッグやライトを外した状態で約9.0kg。

ノーマルと比べて約2kgくらいは軽くなっていると思います。

やろうと思えばハンドルやシートピラーをカーボンにしたり、軽量ホイールにしてもうちょっと軽くもできますが…

最軽量を目指しているわけではないので、手持ちのパーツを生かしつつ、扱いやすさやコスパを重視しながらパーツ選びをしていきました。

街乗り用のクロスバイクなので、このくらいでも十分軽いと思っています。

※引っ越しして1階の自転車置場(屋内)に置けるようになったので、現在はスタンド・泥除け・ボトルケージなどフル装備にしてます。

シマノパーツ中心で組んだ理由

このバイクのコンセプトは、「街乗りで軽快に走れる大人のクロスバイク」です。

スペックを見てわかる通り、全体的にシマノパーツを多用した無難なパーツ構成です。

シンプルでノーマル感を維持しつつ、見る人が見ればいじってるのがわかるというのを目指してます。(笑)

シマノ製品は地味だと言われますが、地味ということは、過剰に目立たないということです。

それによって盗難に会う可能性も低くなるので、日常的に使うクロスバイクには最適かなと。

シマノ製品は安くて高品質=コストパフォーマンスが高いですし、手に入りやすいパーツばかりなので、カスタムの参考にもしやすいと思います。

ちなみにパーツの交換作業は見よう見まねで全て自分で行っています。

シマノ製品はマニュアルがしっかりしていますし、最近はブログやYoutubeで解説してくれている人も多いですからね。

意外と初めてでもなんとかなるものなので、チャレンジしてみてはいかがでしょうか。

コンポはGRX+Ultegraの1x11S仕様

カスタムの花形といえば、やはりコンポーネントですよね。

クロスバイクでは珍しい、フロントシングル、リア11速という変速仕様にしてあります。

クロスバイクを11速化してみたいと思っている人は多いんじゃないかと思います。

僕も納車以来ずっとリア11速化したいと思っていて、2020年にようやく実行できました。

きっかけはロードを電動コンポ化した際にリアディレイラーが余ったことでした。

最初は105あたりで2x11Sにしようと思っていたんですが、パーツ構成を検討する中で、フロントシングル化のメリットに気づいて1x11Sになりました。

クロスバイクをフロントシングル化するメリット

フロントシングル化のメリットは以下のような感じですね。

  • バイクが軽くなり、取り回しが楽に、走り出しが軽快になる
  • ハンドルやクランク周りの見た目がスッキリする
  • リア変速だけに集中することができるので、走りに無駄がなくなる
  • フロントディレイラーの調整やトラブルがなくなる

クロスバイクのフロントシングル化は、重量への影響がかなり大きいと思います。

完成車によくついているトリプルクランクはかなり重いですし、パーツのグレードが上がって軽くなる上に、ギア2枚、フロントディレイラー、左シフター、ケーブルもなくなるので大幅な重量減が期待できるからです。

僕のバイクでも、フロントシングル化だけで1kg以上の軽量化ができたと思います。

見た目は好みもありますけど、シンプルでスッキリしたのが好きな人にオススメです。

一番のメリットはやはりフロントの変速しなくていい、ってことですね。

フロントをアウターにしたらリアは何段か落としたり、ペダルにかかる力が一気に変わったり、コツが必要ですよね。

ストレスを感じることも多いので、できれば変速したくないものですよね。

クロスはフロントギア3枚ついていたりしますが、使いこなしている人はほぼいないんじゃないかと。

使わないものはただの重りなので、外せばいいのです。

デメリットはギアがワイドレシオになること。(ギアごとの丁数の差が大きくなる=変速ショックが大きくなる)

それにパーツ選択がちょっと難しいことくらいかと思います。

とりあえずシマノでよければGRX選んでおけばOKなんですけどね。

その辺はまた改めて書いてみようと思っています。

それから、Qファクター(左右のペダルの間隔)が狭くなります。

自転車を上から見た時に、ギアの枚数分、左右のペダルがフレーム側に寄って近くなるという感じですね。

これは人によって影響が違うので、メリットともデメリットとも言えません。

クロスバイクのリア11速化はお金も作業も大変

ベースのESCAPE RXはリア9速でしたが、たいていのクロスバイクは8速か9速ですよね。

コンポの11速化って入れ替えるものが多いので、結構大変なんですよね。

8〜9速のバイクを11速にしようとすると、これだけのものを入れ替える必要があります。

  • リアディレイラー
  • シフター
  • チェーン
  • カセットスプロケット
  • ブレーキレバー(シフターと一体型の場合)
  • ホイール(ホイールが11速に対応していない場合)

パーツの点数が増えるので、やはりそれなりにコストもかかってしまうんですよね。

ケーブル処理にワイヤーカッター、チェーンつけ外しにチェーンカッターなどの各種工具が必要なことも忘れてはなりません。

しかもこれらのパーツを同時に入れ替える必要があるので、作業を自分でやる場合はかなりハードル高くなると思います。

しかし11速化は単に段数の違いだけでなく、必然的にパーツのグレードが上がるため変速がとっても滑らかになるので、オススメのカスタムです。

クロスバイクとは思えないほど変速がスパスパ決まるのは、めっちゃ気持ちいいですよ。

各パーツの紹介

ここからは、各パーツの紹介をしていきます。

フロントクランク:Shimano GRX RX600-1

フロントクランク/ギアは、GRX FC-RX600-1(40T)を選びました。

GRXはShimanoが2019年にリリースした比較的新しいコンポで、グラベル(未舗装路)向けのシリーズとされています。

GRXはシンプルな見た目で質感も高いので、気にいる人も多いんじゃないかと思います。

RX600-1はギア歯数は40Tのみの設定ですね。(RX810は40,42Tがあります。)

クランク長は165mmです。

身長172cmなのでロードは170mmを使っているのですが、165mmを使ってみたかったので選びました。

しっかりと刃先の長いチェーンリングで、心配だったチェーン落ちは一度も発生していません。

ボトムブラケット:Shimano BB-RS500

BBはGRXクランクに合わせて、シマノホローテックII対応のBB-RS500です。

確か上位のSM-BBR60が在庫なくて、Tiagraグレードのこれを選んだような気がします。

シルバーの見た目が気に入ってます。

シフター:Shimano Rapidfire SL-RS700

シフターはShimano Rapidfire SL-RS700です。

フラットバー用の11速シフターはこれ一択じゃないですかね。(2021年現在)

フロントギアがシングルなので、リア用の右レバーのみ導入です。

ドロップハンドル用のSTIレバーと違って「カチッ」というクリック感は強めですが、変速性能はまったく問題ありません。

ちゃんとUltegraのスパスパ決まる変速フィーリングになって、とっても満足度高いです。

ブレーキレバー:Shimano DEORE BL-T610

ブレーキレバーはマウンテンバイク系シリーズのDEOREから、BL-T610です。

確かVブレーキを引ける一番高いレバーがこれだったから選んだような気がします。(曖昧)

実際導入してみると、手触りの感触がよくて、思いのほか満足度が高かったパーツです。

やっぱり体に触れるパーツの質感って大事ですよね。

ちなみにフラットロード用のブレーキレバーだと、デュアルピボットブレーキしか対応していないものもあるので、気をつけましょう。

ESCAPE RXはケーブル内装型といって、リアに向かうケーブルがフレーム内部を通る構造になっています。

ブレーキケーブルやシフトケーブル交換の際はちょっとしたコツが必要になるので、交換する方はやり方を事前に調べてから行うようにしましょう。

何も考えずにケーブルを引き抜いてしまうと、あとで苦労するかも。

リアディレイラー:Shimano Ultegra RD-R8000-SS

リアディレイラーはロードバイクのお下がりで、Ultegra RD-R8000-SSです。

最近のロード用ディレイラーはシャドウマウントと言って、あまり横に飛び出さないようになっていて、機能性と見た目がよくなりました。

シャドウマウントディレイラー用のアウターケーブルだけ欠品していたので、新品購入しています。

やはりアルテグラだけあって変速性能はめちゃ快適です。

フラットバーって変則が甘いイメージがあったんですが、さすがUltegraって感じですよ。

全体的にはだいたい105あたりのグレードで揃えているんですが、リアディレイラーだけ上位っていうのはオススメかもですね。

RD-R8000-SSはスプロケットの最大超数が30Tまでなので、登りが苦手な人はRD-R8000-GSなどのロングケージを使ってもよいかと。

街乗りで延々と登るということはないと思いますので、個人的にはフロント40Tリア30Tでも十分かなと思います。

カセットスプロケット:Shimano 105 CS-R7000 11-30T

カセットスプロケットは105シリーズのCS-R7000です。

リアディレイラーの最大歯数に合わせて11−30Tにしています。

これ実は元々Zwiftやるのにスマートローラーに使っていたものを流用しました。

スプロケは最大歯数が決まっていれば、比較的選びやすいパーツかなと思います。

チェーン:Shimano CN-HG601

チェーンはShimanoの11速対応チェーン、CN-HG601です。

グレードは105らしいです。

ミッシングリンクは使っていなくて、Shimanoのチェーンカッターを使ってつないでます。

チェーンは消耗品ですし、105グレードで十分かなと思います。

ブレーキ:Shimano DEORE BR-T610

ブレーキはレバーと同じDEOREグレードのBR-T610です。

現行品の中では最上位クラスのモデルかと思います。

そんなに高くないですし、普通によく効くのでまったく問題なしです。

本当は、かつて存在した”パラレルリンク”という伝説のVブレーキを探していたのですが、なかなかいい中古品が見つからず、諦めました。

市場はディスクブレーキが増えてVブレーキの選択肢はかなり少なくなってきています。

街でディスクブレーキのロードやクロスを見かけることも増えてきましたよね。

次買うならディスクブレーキかな…いよいよそんな時代になりました。

これに乗っている間に、パラレルリンクも一度は体験してみたいものです。(メルカリ頼み)

ホイール:Shimano WH-RS21

ホイールはShimano WH-RS21です。

もう4年ほど使っているホイールで、一時期ロードバイクでも使っていましたが、普通によく回るコスパのいいホイールです。

古いホイールですが、オーバーホールも自分でできますし、28Cタイヤもいけますし、まだまだ使えそうです。

11速化したおかげでロードバイクで使っているホイールMavic Ksyrium Pro UST/15万円がESCAPE RXでも使えるようにもなりました。

が、クロスだと駐輪したりするので盗難が怖くて、近所をちょっと走っただけで終了しました。

足回りめっちゃ軽くて面白かったですけどね。

個人的には、クロスバイクは扱いやすさ優先で、地味でそこそこのパーツで組むのがよいと考えています。

タイヤ:Panaracer グラベルキング F728-GK 28C

タイヤはPanaracer グラベルキング28Cです。

アルミフレーム&フォークのクロスは乗り味が硬いので、28Cタイヤの組み合わせが乗り心地いいですね。

名の通りグラベル向けのタイヤですが、これは舗装路もそれなりに走る人向けで、タイヤのブロックパターンは細かいものがびっしり刻まれています。

しばらく乗ってみて、ちょっとした砂地も滑らずに走れますし、これ街乗りにかなりいいのではと思っています。

ちなみにチューブもPanaracerのものを使っています。

ペダル:Shimano PD-A530

ペダルはShimano PD-A530、フラット+SPD対応のもので、ロードに乗り始めたころに買ったものです。

クロスでもSPDつけて走ることがあるのでつけています。

一応両面フラットのペダルも所持していますが、あまり使っていませんね。

サドル:Fabric Scoop Shallow Elite

サドルはFabricのScoop Shallow Eliteです。

これもロードからのお下がりというか、今もたまに入れ替えて使っていたりします。

僕はFabric社のサドルが気に入っていて、ロードにはこれのFlatタイプがついています。

サドルはお尻の形、ポジション、好みなどによって様々なので、色々試すしかないですね。

【番外】アクセサリー

ロードと兼用しているものが多いので参考にならないかもしれませんが、写真に写っているアクセサリー類をまとめて紹介。

ガーミンはロード用ですが、マウンターとセンサーが余ってたのでESCAPE RXにもつけました。ナビもできるので街中でも便利です。

フロントライトはVOLT800、街乗りにはやや過剰ですが、明るいので重宝してます。ハンドル周りすっきりさせたいので、KCNCのライトマウントでフロントシャフトにつけてます。ついでにベルもライトにつけてます。

リアライトはリフレクターが付いていてオートライトで気に入っているREFLEX AUTO。

サドルバッグはORTLIEBのMicroに、チューブと工具を入れています。ORTLIEBのサドルバッグはラージサイズも持っていて、ロードでも重宝してます。

カスタム総額でいくらかかったか?

気になるお値段ですが、それぞれのパーツを買った時の値段で合計すると、87,514円でした。(アクセサリー除く)

シフター:Shimano SL-RS700(右のみ)7,369
クランク:Shimano FC-RX600-111,314
ボトムブラケット:Shimano BB-RS5001,441
ブレーキレバー:Shimano BL-T6103,375
チェーン:Shimano CN-HG6012,865
リアディレイラー:Shimano RD-R8000 SS7,460
リアスプロケット:Shimano CS-R70004,461
ブレーキ:Shimano BR-T610(前後セット)3,972
ペダル:Shimano PD-A5304,850
ホイール:Shimano WH-RS2121,781
タイヤ:Panaracer グラベルキング F728-GK(2本分、チューブ含む)9,828
サドル:Fabric Scoop Shallow Elite8,798
合計87,514

ベースのESCAPE RX3が74,520円なので、ちょっと突破してますね!

いつの間にか総額16万円の高級クロスバイクになってました。

ホイールにお金をかけていないのでこのくらいに収まっていますが、5万円くらい出してちょっといいホイールにすると20万円近くになっちゃいますね。

やはり自転車カスタムの中心はホイール…

今回はコスパ最優先というわけではなかったので、こんなものかなと思います。

ちなみにフロントシングル+11速化に必要なもの(SL、FC、BB、BL、CN、RD、CS)を合計してみると、38,285円でした。(購入当時の価格です)

ほかに工具類もいくつか必要にはなりますが、あれ、意外と安いかも?

リアディレイラーを105にすればあと2,500円くらい下がりますが、個人的にはリアディレイラーは満足度を左右すると思うので、ワンランクアップをオススメしたいです。(今回は手持ちのアルテグラを流用しました)

なお、ギア比や性能気にせず「最安で11速化」というコンセプトの場合は、マウンテンバイク系のコンポを使えば安くできると思います。

まとめ

いかがでしたでしょうか?

買って5年も経つと、パーツがへたってきたり飽きてきたりしますよね。

そういう時はこんなふうに盛大にコンポ入れ替えてみるのもオススメです。

1x11S化のカスタムは本当に走りやすくなってよかったですね。

シンプル操作で軽快な乗り味は、ノーマル車にはない走りやすさかと思います。

軽くなったので、マンションの自室に運ぶのも楽になりました。

クランクは最新のGRXだったり、リアはこっそりUltegraだったりで、こだわりポイントもあって気に入ってます。

コンポの総入れ替えを自分でやったのは初めてでしたが、色々調べながらで知識や経験がついてよかったです。

クロスバイクの用途的に、これ以上走行性能を上げるカスタムは必要を感じませんし、あまりお金をかけすぎると盗難リスクが高くなって使いづらくなってしまいます。

今の構成で行き着くところまで行った感があるので、しばらくはメンテナンスくらいになりそうです。

このフレームのかっこよさに惚れて購入したバイクなので、まだまだ大切に乗り続けたいと思います。

コメント

  1. たかにぃ より:

    ロードバイクのお下がりが無い状態でクロスバイクを1x11sに改造するなら、素直にMTBコンポを使ったほうが安いですね。
    シフター、リアディレイラーは半額以下、スプロケットは同額、クランクはチェーンリングのみ3枚からナローワイド1枚に付け替えが可能です。
    今の主流のディスクブレーキクロスバイクなら、浮いたお金でホイールもRacing5 DBなどに変えられます。

  2. Yasu より:

    たかにぃさま。おっしゃるとおり、MTBコンポの方が安上がりにできますね!
    記事ではパーツ選びについて細かく書いていませんが、だいたい以下の4つの観点で現在の構成になりました。
    ・ロード乗りなのでロード系パーツのを使いたかった(アルテ流用も含めて)
    ・MTB系のデザインが好みでなかった
    ・MTB系のシングルクランクは平地用には小さい(最大でも36T)
    ・GRXを使ってみたかった

  3. たかにぃ より:

    好みがあるので、ロード用パーツで全然問題ないと思います。(気になったのは値段のお話程度)

    あと、MTBクランクのチェーンリングはロードと違って走るシチュエーションに合わせて変えるのが基本です。
    サイズもカナダのRaceFaceなどの超メジャーな所で46T、マイナーな中国メーカーで53T程度、米国ハードコアWolf Toothは値段数倍ですが同じ位あります。
    フロントシングルのチェーンリング交換はタイヤ交換より楽なので、気楽に試すと良いです。

  4. Yasu より:

    たかにぃさま。なるほど、サードパーティ製のチェーンリングを組み合わせれば幅が広がりますよね。

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