先日、オリンパスの「ポートレート撮影講座」に行ってきました。
中級者向けの実践講座で、
1日目はモデル撮影会、2日目は撮影した写真の講評会という内容でした。
オリンパスユーザー限定、メーカー主催の講座なんですが、
技術や機材にとらわれず、
コミュニケーションやイメージなど、
「写真」そのものについて深く考えさせられた、よい講座でした。
今回は、一番印象に残ったポイントである
「コミュニケーション」について記事を書いてみました。
カメラマンはカメラ顔?
あなたは人物を撮るとき、どのように撮影していますか?
モデルを見るときは常にレンズ越しで、
顔をカメラで隠していませんか?
位置やポーズを指示するだけで会話せず、
黙々とシャッターを切り続けていませんか?
撮影に慣れていないときは、ついこのように一方的な撮影になってしまいがちです。
このとき、
モデルさんが初めて会った人だったりすると、
撮影後にあなたの顔を思い出してもらえないかもしれません。
これでは本当にカメラ顔の
「カメラマン」になってしまいます。
撮影とは緊張するものです。
そんなとき、カメラで顔を隠せば安心できるかもしれません。
その気持ち、よくわかります。
僕も人見知りをするタイプで、
特に初対面だとコミュニケーションを取りづらいんですよね。
どうすればいいのかわからないので、
必死に目の前のカメラにしがみついてしまうんです。
でも、撮られているモデル側も緊張しているものなんです。
今どんなふうに撮られているのか?
撮っている側はどんなふうに感じているのか?
色々気になって緊張するものなのです。
ただでさえお互いに緊張した状態なのに、
カメラという仮面まで付けてしまっては、
モデルの自然な表情を引き出すのは難しいというものですよね。
カメラから顔を出して撮影しよう
人見知りのフォトグラファーが、モデルとの距離を縮めるためのポイント。
それは、思い切って
カメラから顔を出して撮る
ことです。
そして無言ではなく、なんでもいいので軽い会話や質問も交えながら撮影すること。
今日はいい天気ですね。
風が気持ちいいですよね。
好きな食べものってなんですか?
あぁ、それ僕も好きなんですよ。
そんなありきたりの会話で大丈夫です。
目を見て会話をして、お互いのことを知れば、自然と距離感は縮まっていくものです。
そうすれば、安心して撮影を進められるようになります。
いやいや、
それじゃあモニターやファインダーが見れないじゃないか、
と思うかもしれません。
ごもっともです。
でも、ポートレート撮影で最も重要なのは、
フレーミングや構図ではなく
いかにモデルのいい表情を引き出せるか
なのです。
極端に言えば、フレーミングの確認で、たまーに覗くくらいで
ピントもカメラの顔認識に任せてしまってもいいくらいです。
そのくらい、
ポートレート撮影における「コミュニケーション」は最重要だということです。
自然なコミュニケーションの中で出る、いい表情を捉えていく。
ポートレート撮影の第一歩はここから始まります。
(あえてコミュニケーションしない、という手法もありますが…)
ポートレート撮影はコミュニケーション
ここまで述べてきたことは、
知り合いを撮るときでも有効です。
いくらよく知っている間柄と言えど、
カメラ顔のまま無言でバシバシシャッターを切るのは気持ち悪いですよね。
初対面や、あまり知らない人を撮影するときは、
時間があれば
撮影を始める前に自己紹介や世間話をすることも効果的ですね。
時間がもったいないと思うかもしれませんが、
ここに時間を割けばいい写真が撮れると考えましょう。
モデルさんは「モノ」ではなく、「人」です。
お互いにコミュニケーションを取って、
一緒にいい作品を作っていけたらいいですね。
オリンパス写真講座の紹介
今回僕が参加したのは、
オリンパス デジタルカレッジ「ポートレートの撮り方講座~屋外撮影編~」。
講師はグラビアなどで活躍中の緒方一貴先生で
10人ほどの参加者と一緒にモデルさんを撮影をしたり、
講評会では、それぞれの写真をじっくり鑑賞したりしました。
モデルさんを撮影するのも、人に写真をマジマジと見られるのも初めてだったので
とてもいい刺激になって感化されました。
オリンパスユーザー限定の講座ですが、興味のある方はぜひ参加してみてくださいね。
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