〜前回までのあらすじ〜
4月には初開催となる、桜のあづみのセンチュリーライド(AACR)。
初めての自転車イベント参加にドキドキしつつも、トレインに乗ってみたり坂を楽しんだり、桜と雪山のコラボという贅沢な景色を堪能したりしていた。
第1エイドでのんびり撮影しながら休憩し、補給食を頬張っていると、そろそろエイド終了のお知らせが・・・!?
AACRは意外と制限時間が厳しい?
正直、僕はセンチュリーライドを「ファンライド」だと舐めていた。
景色を楽しみながらサイクリングをするくらいの雰囲気で、時間の余裕もかなりあると思っていた。
しかしフタを開けてみれば、いきなり制限時間に追われる展開が待っていたのである。
自分としてはのんびり走ってきたつもりはない。
30kmくらいの巡航速度は出ていたはず。
周りのスピードと比べても、それほど遅いということはないはずだ。
それでも制限時間ギリギリなの・・・?
そもそも僕のいた最終組は、最初の組より1時間半も遅れてスタートする。
すなわち、それだけ制限時間も短いということなのだ。
(たぶん、申込み先着順にスタートだと思うので、初心者は募集開始後速攻で申し込んだ方がいいかもしれない。)
第1エイドでそれに気づいた僕は、ファンライド気分を改めて、積極的に攻めていく方針に転換した。
よし、個人的にはワクワクする展開だ。
こうなったら意地でも制限時間の16:00までにゴールしてやりますよ!
ロングライドはメンタルが大事!
第2エイドまでは約20km。
単独走行が中心で苦しいけれど、頑張ってペダルを回し続けた。
まだ第1区間が終わっただけなのに、じわじわと疲労が溜まってくるのがわかる。
ロングライドに慣れていないので、こんなので150km走りきれるのか?と思わず不安になってしまう。
開催地の安曇野は比較的平坦な地形が多いが、それでも山間に行けば当然、山や坂がある。
ここは長野、周りを見れば山ばっかりのところなのだ。
前の週にヤビツ峠を登って坂の感覚は覚えていたから、坂に対する苦手意識が薄れていたのはプラス要素だった。
時間に追われる展開ながら、
「ヤビツを登れたのだから、この程度の坂などどうということはない!」
とか思えば、坂も心折れずに登れた。
トレーニングやダンシングなどの技術も大切だが、坂は結局メンタルだ。
ストレートに「この坂は長いですよ」と見せつけられても、それに嬉々として立ち向かっていくのが坂の楽しみ方である。
我ながらストイックというかマゾい趣味である。
走りながら学ぶ
都内でひとりで走っているときは、ハンドサインを出さない人も多いので、僕も多用していなかった。
AACRは参加要項でもハンドサインが推奨されているし、何より周りの人がどんどんお手本を見せてくれる。
隊列の後ろについているときのサインは、特に参考になった。
右左折だけでなく、減速、停止、危険回避など、路面や前方の状況を逐次教えてくれる。
後ろを走っている人はそのぶん注意を走ることに向けられるし、そもそもトレインでは前方の状況が見えにくい。
安全に効率よく走るためには、ハンドサインによる連携は必須だ。
慣れている人はサインが的確な上にスピーディでカッコよかった。
都内でも周りに的確に伝えることは安全性を高める上でもとても大切だし、僕もカッコよく指示が出せるようになりたいね。
たくさんの人と走る中で、自分との違いを見つけ、そこから多くの学びを得ていく。
いいイベントに参加することができたなぁ、としみじみ思いながら、第2エイドのあづみの公園大町ASへ到着した。
第2エイド目玉のねぎ味噌おにぎりが絶品!
センチュリーライドでは定番と言われる人気の補給食がある。
それが大町エイドのネギ味噌おにぎりだ。
これを食べずに、センチュリーライドは語れない。
いや、これを食べるためにセンチュリーライドに参加していると言っても過言ではない。
白飯おにぎりに、ねぎ味噌を自分で乗せて食べる。
たったそれだけのシンプルな食べ物だが、伝えきれない不思議な美味しさがある。
味噌のまろやかな甘みと程よい塩気が絶妙で、疲れ始めた身体に染み渡る。
しかし、朝ごはんもしっかりと食べ、第1エイドでパンとまんじゅうを食べたばかりのお腹には、ちょっと重かった…笑
おにぎりをたくさん食べたい人は、第1エイドで自重することをオススメする。
ロングライドは持久力勝負
第2エイドを過ぎても、ペースを落とせる余裕はない。
エイドまでで少しでも時間を巻いていかなければ、目標タイムに届かないだけでなく、エイドの終了時間ですら危ないからだ。
いくら攻めて走ると言っても、ロングライドは持久力勝負。
一気に体力を使ってしまうと、後半に響くことになる。
僕は最長でも140kmくらいしか走ったことがないから、最長記録を更新する道を走っているのだ。
全身の力を使うダンシングはできるだけ控えて、急な坂道などに使うポイントを絞る。
乗れるトレインには乗せてもらって、休む時間をこまめに作って回復をする。
「150kmを走りきれる限界の速度」を維持しつつ、「楽にペダルをどんどん回す」という基本スタンスを守って淡々と走り続ける。
この走り方は、マラソンのような長距離走の感覚に似ているように感じた。
足への負担はそれほどでもないが、心肺機能への負担がかなり高いので、とっても疲れるのである。
ハァハァ息を切らしつつ、限界ギリギリのペダリングをしながら、たまに
「あれ?これファンライドだよね?」
とか一人ツッコミをしながら、美しい安曇野を駆けていく。
僕はロングライドの経験は浅いが、自分の知識と、まさに今得ている経験を重ね合わせながら走り続けた。
とにかく景色が美しい
センチュリーライドの醍醐味は、安曇野の美しい景色。
山、川、野、湖、雪、桜。
自転車なら、景色を目で見ながら、体全体で風や匂いを感じることができる。
自分の足でペダルを回すことで、地形すらも感じ取ることができるのが、ロングライドの楽しさ。
それがイベントならエイドに美味しいものまで付いてくる。
今回僕は、初めてロングライドイベントに参加したが、コースを考えた運営には拍手を送りたい。
センチュリーライドのコース設定そのものが「絶景ポイント巡り」になっていて、この季節の安曇野を満喫できるようになっている。
4月の「桜のAACR」は、とっても贅沢だ。
残雪のアルプスと桜のコラボレーションがとにかく素晴らしい。
ごく短い時節にしかみられない貴重な景色を堪能することができる。
あぁ、自転車始めてよかった。
絶景ポイントで記念撮影しよう!
走行中の各地の絶景ポイントは、見逃すことはあまりないだろう。
なぜなら、そこには多数の参加者が記念撮影をしていることが多いからだ。
中でも青木湖の湖畔での撮影会は盛大だった。
30人ほどが足を止めて、こぞって自分の自転車を撮影している姿は異様だった。笑
ここではお気に入りの写真が取ることができて、嬉しかった。
バックには青木湖と、残雪のアルプスがフレームイン。
額に入れて飾っておきたいくらいだ。
この撮れ高があれば、あとは走りに集中できるというものである。
景色と記念撮影を楽しみながら束の間の休憩。
そしてまた勢いよく走り出した。
そして舞台は白馬へ!
うわーーーー、前のトレイン、めっちゃ速い!(そして千切れる)
体力的にはキツイけど、とんでもなく楽しい、そして気持ちいい。
標高も徐々に上がり、折り返し地点の白馬村へ突入する!
果たして制限時間内にフィニッシュすることができるのか?!
つづく
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