たった1,500円でN響が聴ける?在京プロオーケストラ定期演奏会の価格比較をしてみた

先日、NHK交響楽団の定期公演を聴いて来ました。

そのお値段、なんと1,500円でした。(ちゃんと正規価格です)

きっと、みなさんが想像しているよりもずっと安いはずです。

日本最高とも言われるN響の定期公演が、たった1,500円で聴けるなんて。

こんな価格で聴けるプロオーケストラの演奏会は他にもあるの?

なぜN響はこんなにも安いの?

そんな疑問を抱いたので、今回はそのあたりを調査してみました。

最後にN響1,500円チケットの購入方法も載せているので、要チェックですよ!

在京オーケストラの定期公演の価格比較をしてみた

日本のプロオーケストラによる演奏会は、たくさんの種類があります。

オーケストラや登場するソリスト、開催されるホール、スポンサーなどによって、その価格設定は千差万別。

今回はその中でも最も重要とされる定期公演(定期演奏会)を取り上げてみようと思います。

 

定期公演は、オーケストラの活動の根幹を担う公演として、オケの自主公演として行うのが一般的です。

オーケストラ自ら企画し、自分たちの持っている全てをぶつけてくる演奏会、それが定期公演なのです。

定期公演の指揮者はオーケストラの音楽性を握る常任・首席指揮者が登場し、団員も主力メンバーを揃えて来ます。

すなわち、定期公演はオーケストラの実力が最も発揮される公演である、と言えます。

 

比較には、定期公演の中でも標準的な価格設定をされている公演を選んでみました。

 

読売日本交響楽団(東京芸術劇場)

  • S席:7,500円
  • A席:6,500円
  • B席:5,500円
  • C席:4,000円

まずは読売新聞グループが支える読響から。

池袋の東京芸術劇場は約2,000人収容です。

一般的なオーケストラのイメージとしては4,000〜6,000円くらいですよね。

まずはこのあたりがベンチマークと言えるでしょう。

 

東京都交響楽団(東京文化会館)

  • S席:8,000円
  • A席:7,000円
  • B席:6,000円
  • C席:5,000円
  • Ex席:3,700円

東京都がバックについている都響。

上野の東京文化会館の大ホールは、2,300人収容です。

読響と比較すると、全体的にボトムアップした上で、4・5階奥のEx席を下げるという価格設定ですね。

上野近辺にお勤めやお住まいの方はEx席で回数を増やすのもよさそうです。

 

東京フィルハーモニー(オペラシティ)

  • SS席:15,000円
  • S席:10,000円
  • A席:8,500円
  • B席:7,000円
  • C席:5,500円

楽天やSONYといったスポンサー企業と、圧倒的な公演数で運営する東フィル。

オペラシティの大ホールは1,600人収容のコンサートホールです。

オケのコンサートとしては破格なSS席の数はごく少数とはいえ、全体的に価格設定が高いのが特徴ですね。

 

日本フィルハーモニー(杉並公会堂)

  • S席:5,300
  • A席:4,200
  • B席:3,100

事業収入と寄付で運営している日フィル。

杉並公会堂の大ホールは1,200席の小さなコンサートホールです。

日フィルさんの杉並公演は、全体的に価格が抑えられていて、手頃な感じがありますね。

S席が東フィルの最低ランク席よりも安いのが印象的です。(笑)

 

NHK交響楽団(NHKホール)

  • S席:8,800円
  • A席:7,300円
  • B席:5,700円
  • C席:4,600円
  • D席:3,600円
  • E席(自由席):1,500円

NHKこと日本放送協会が擁するN響。

そしてメインホールであるNHKホールは、なんと3,600人収容の巨大ホールです。

実に杉並公会堂の3倍の席数があります。

そして、E席1,500円という価格設定は、他ではなかなか見られないリーズナブルなものです。

 

ざっと比較してみると、特にN響E席の安さが際立っていますよね。

なぜこんなにも安いのでしょうか?

なぜN響定期は安いのか?

先ほどご紹介したとおり、N響のNHKホールでの定期公演は、たった1,500円で聴けます。

1,500円と言えば、ちょっと高めのランチ1回分です。

この価格設定はどうして可能なんでしょうか。

その秘密は、このNHKホールにあると考えられます。

 

第一に、NHKホールはN響の母体である日本放送協会の持ち物であること

通常、コンサートを行うためにはホールを借りる必要がありますが、ホールを所持しているのが日本放送協会(しかも公営)です。

そのコストは、他のホールの比べ物にならないほど小さいと推測ができます。

 

第二に、NHKホールの他に類を見ない、3,600席という巨大さ。

ただでさえコストのかからない(と思われる)NHKホールで、客席数が多いという条件が重なります。

後方座席は価格を下げて集客を重視するという方法も可能なのです。

 

そしてここで注目すべきポイントは、

この2つのメリットが享受できるのは、N響しかない

ということです。

 

通常、N響以外のオーケストラはNHKホールで公演を行うことはありません。

少なくとも、定期公演をNHKホールで行っている在京オーケストラはNHK交響楽団だけなのです。

1,500円でどんな演奏が聴けるのか?

東フィル定期演奏会のSS席は15,000円。

N響定期公演のE席は1,500円。

 

実に10倍もの差があるわけですが、本当にその価格差を感じられるのでしょうか?

 

確かに、S席以上が設定されているような席は、オーケストラの音圧が十分に感じられて、見た目にも楽しめる最高の席です。

気持ちよくお金を払って聴く価値のあるものだと思います。

しかし、そういう高い席ばかりが全てではありません。

オーケストラは高いからと、聴く機会を逃してしまう方がもったいないのです。

位置の悪い席だとしても、生音の波動は確かに全身で感じられるのです。

 

NHKホールの3階席は確かに遠いですが、オーケストラは超一流プレイヤーばかりのN響です。

しかも団員はNHKホールでの演奏に慣れているので、会場の隅々まで音を届けてくれます。

編成によっては音圧に物足りなさを感じることもあるかもしれませんが、音の一つ一つが細かく、繊細に聴こえます。

演奏者がよく見たいのであれば、オペラグラスなどを持っていくといいでしょう。

この席の価値は、とにかくリーズナブルに、一流の演奏を体感できることにあります。

まとめ

実は僕も、今回誘われて演奏会に行くまで、この席の存在を知りませんでした。(お恥ずかしい限りです)

安さが全てではありませんが、安いチケットがあることによって、演奏会へ行くハードルが下がることは確かでしょう。

いい音楽に触れるということは、脳にとてもいい刺激を与えてくれます。

僕も今後はどんどん活用して、生オケを聴く機会を増やしていきたいと思います。

 

おっと、肝心なE席の購入方法を伝え忘れるところでした。

E席はN響公式チケットセンターから購入ができますよ。

3月は演奏旅行のため、次回は4月の定期公演、発売開始は3/5〜です。

WebチケットN響

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