久しぶりの演奏会レビューです。
2017年2月17日は、NHK交響楽団(通称:N響)の第1857回定期公演を聴いてきました。
N響 第1857回定期公演
2月のCプログラムは、ショスタコーヴィチの交響曲第10番、そしてシベリウスのヴァイオリン協奏曲という構成です。
指揮は首席指揮者のパーヴォ・ヤルヴィ、ヴァイオリンは諏訪内晶子さん。
▲開場前のNHKホール、たくさんの人が列を作っていました。
今回の定期公演は、日本での公演が少ない諏訪内晶子さんがソリストとして登場、しかも人気の高いシベリウスのコンチェルトを演奏するとあって、平日にも関わらず、多くの観客が詰め掛けたようです。
▲今回僕は自由席での鑑賞だったので、3階席。
3600人の客席を持つNHKホールはとても空間が広く感じますが、3階席だと広いステージもこんなに小さく見えます。
▲開演前にホールを散策。パーヴォ・ヤルヴィののぼりを発見。(!)ホールの古さと相まって、とてもノスタルジーを感じます。
演奏会の感想
今回の目的は、諏訪内さんのシベリウスでした。
僕はヴァイオリンが大好きですが、ヴァイオリンを好きになるきっかけが、シベリウスのコンチェルトでした。
学生の頃に学生オケの定期公演で聴いたシベリウスに衝撃を受けて以来、僕はヴァイオリンの虜になっているのです。
そして、多数のヴァイオリニストのCDを買い漁る中でもお気に入りで、CDを揃えていたのが諏訪内晶子さんでした。
1990年のチャイコフスキー国際コンクールで優勝し、一躍有名になった諏訪内晶子さん。
ストラディバリウスの「ドルフィン」を使うことでも知られていますよね。
現在パリに在住の彼女は、あまり日本での公演が多くないので、なかなか機会に恵まれませんでしたが、今回念願叶いました。
しかも、僕が一番好きなシベリウスのコンチェルトを、日本最高の交響楽団であるN響の演奏で聴ける。
なんて幸せな機会に恵まれたんだろうと思いながら、開演を心待ちにしました。
開演時間になり、オケが入場。
友人や知り合いの奏者もいるため、今夜のメンバーをチェック。
すると袖からヴァイオリンのチューニング音が漏れ聞こえます。
そしてソリスト諏訪内さんの登場!
わっ、と盛り上がる会場、僕の胸も高鳴ります。
ソリストと指揮者が構えると、しん・・・と静まり返る会場。
シベリウス ヴァイオリン協奏曲の、最初のフレーズが始まります。
静かに始まるヴァイオリンの語りは、北欧の湖の夜明けを思い起こさせます。
フィンランドの作曲家シベリウスらしい、厳しい寒さと力強さを感じさせるフレーズが印象的です。
諏訪内さんのクリアで雑音のない音、そして繊細でシャープなフレージングがシベリウスにぴったりはまります。
楽しい時間はあっという間に過ぎ去り。
いつもCDで聴いている諏訪内さんの印象そのままで、素晴らしい演奏でした。
鳴り止まない拍手、大喝采の中、諏訪内さんのアンコールが始まります。
アンコールは、バッハの無伴奏ソナタ。
NHKホールの巨大空間に響き渡る、諏訪内さんのクリアな音。
シベリウスもよかったけれど、このバッハも素晴らしかったです。
ひとつひとつの音を噛みしめるように堪能し、最高のひとときを過ごすことができました。
あぁ、いい音楽を聴けるって幸せだなぁ。
演奏会後半はショスタコーヴィチ、第10番。
一気に編成が大きくなり、大迫力のショスタコが始まりました。
各楽器のソロでは、ホールの奥までクリアな音を届ける。
オケ全体が音を出せば、3600人を収容するNHKホールを鳴らしきるN響。
これは2000人弱のコンサートホールとは違う、NHKホール×N響ならではの楽しさなのだろうと感じました。
まとめ
あっという間に終演。
今回は諏訪内さんのシベリウスが1番の目的でしたが、N響ってやっぱりすごいと感じました。
オーケストラってやっぱり楽しいですね。
N響の定期公演、自由席が出るNHKホールでの公演は、なんと1,500円で聴くことができます。
これはもっと有効活用しなければなぁと思った今日この頃。
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