クロスバイクを2016年2月の終わりに購入してから、早くも10ヶ月が経ちました。
5月には初めてのロングライドに挑戦して、200km走るつもりが途中で力尽きて140kmで帰って来たりしました。
荒川沿いに河口まで走りにいって、ロードバイクと競ったり千切られたりしました。
でも、長距離を走るといつも頭をよぎるのは、僕がロードに乗っていたら…という想い。
僕は心の奥底でロードバイクに憧れ続けていました。
そしてついに、運命のめぐり合わせが訪れ、僕は念願のロードバイクを手に入れることになりました。
この記事は、僕がロードバイクを購入するまでの経緯や想いを綴った、エッセイです。
さて、いったいどんな出会いがあったんでしょうか。
代わりにはならない
僕がそもそもロードバイクでなく、クロスバイクを購入したのは、自転車を日常の足としても使いたかったからでした。
(クロスバイクとは ー 道を速く走るロードバイクと、山や悪路を走るマウンテンバイクのいいとこ取りをした自転車。)
ロードバイクは普段使いとしてはやや不便なところがあるので、ほどよくスポーティなクロスバイクを買って、まずはスポーツ自転車に慣れようという考えだったんです。
その考えは今でも変わりませんし、最初にクロスバイクを買ったことについて後悔はしていません。
でも僕は、普通の人より少しは体力に自信がありました。
前を走るロードバイクのように軽快に走ってみたい、と思うようになるまで、それほど時間はかかりませんでした。
でもクロスバイクは、
ロードバイク用の細いタイヤを履いても
ハンドルを下げてより深い前傾姿勢を取っても
ハンドルバーをつけて楽なポジションを取れても
やっぱりクロスバイクはクロスバイクなのです。
いっその事、まとまったお金をかけてカスタムして、ロードバイクのようにしようかと考えたこともありました。
でも、フロントギアをロード用にしようと思えば、結局コンポーネント(ギアやシフトなどの総称)をほとんど変える必要があります。
それを実現するには、パーツ以外に工具も必要になり、それにはお金がかかります。
車体と同じくらいのお金を出せば、ロードバイクのような構成に変えることができますが、車体の肝とも言えるフレームの設計思想がそもそも違います。
調べれば調べるほど、超えられない壁の大きさを知ることになりました。
「ロードっぽい感じ」にはなりますが、クロスバイクはロードバイクにはなれないのです。
そしてそれは「クロスバイク」として生まれたESCAPEの、個性を殺してしまうことになってしまうかもしれません。
同じお金をかけるなら、安いロードバイクを買ってしまったほうがマシかもしれません。
そのことを悟ってしまってからは、僕はそれ以上カスタムをする気がなくなってしまいました。
僕のESCAPE RX3ロード化計画は、夢の内に終わったのです。
中途半端は、嫌
そんなに欲しいなら、ロードバイクを買えばいいじゃないか、と思いますよね。
実際、クロスバイクを買ってから数ヶ月でロードバイクを買う人は多いと言われています。
でも僕はこう思ったのです。
10万円程度で買える初心者用のお手頃なロードバイクは、RX3と同じアルミフレームだし、アップグレードとしてはやや中途半端じゃないだろうか。
どうせロードを買うなら、カーボンフレームで上級のコンポーネントを搭載したものが欲しい、と。
たとえば、僕のクロスバイクと同じメーカーのGIANTなら、
というモデルがコストパフォーマンスが良さそうでした。
僕の好みなブルーカラーもあったので気に入って、実物も何度か見に行きました。
でも車体価格20万円の自転車なんて、そうそう手が出ませんでした。
他にも欲しいものは、たくさんあるのです。
僕のロードバイク購入計画は、またしばらく延期と相成りました。
情熱の再燃
僕のブログは、自転車関係の記事を見に来てくれる方がとても多いです。
僕がロードバイクが買えなくて悶々としている間にも、RX3のレビュー記事はガンガンPVが増えています。
たくさんの人に見てもらえることは、とても嬉しいことなので、モチベーションにもつながります。
そこで、冬にもちゃんとRX3に乗ってあげようと思い、寒い中でもスポーツ走行ができるように装備を整えることにしました。
冬用のジャージや手袋などを買い揃えるうちに、また少し自転車で遠出もしてみたいな、と思うようになりました。
そんな頃、自転車でのロングライドを題材にしたアニメ「ろんぐらいだぁす!」が始まり、僕も友人に勧められる形で見てみました。
初めてスポーツ自転車に乗った時の感動、トラブル、初心者あるあるなどが満載で、とても楽しいアニメでした。
それを通じて、あらためてロングライド、そして自転車の魅力を再認識したのです。
自転車はレースが全てじゃないし、輪行したりして遠くにも行ってみたい。
(弱虫ペダルみたいに熱いのも好きだけど)
あぁ、やっぱり長い距離を楽に走れる、ロードバイクがほしいな。
運命の出会い
買い物で東急ハンズを訪れていたときのこと。
2Fにある、自転車コーナーに何気なく立ち寄ってみました。
そこで目に飛び込んできたのは、あの、GIANT「TCR ADVANCED 2」のブルーカラーでした。
お、置いてる置いて…る?!
そう思った瞬間、値札に目が釘付けになりました。
安っ!!
あぁ、いや、金額は安くないけど安い!
なんと、6万円引きの大盤振る舞いです。
すごい。
型落ちとはいえ、新品のロードバイクが3割も値引いて売っていることなんて、そうそうありません。
しかも、その値札が付いているのは、僕が欲しいと思っていた、サイズもカラーもドンピシャの車種なのです。
興奮して思わず鼻血が出そうになりながらも、ちょっと待てよと冷静になりました。
(6万円引きでも14万円だし、安い買い物じゃないだろ、落ち着け。)
(オイオイ、最近Macbook Proを注文したばかりじゃないか。)
(もし買ったとして、RX3(クロスバイク)はどうする?)
その日は何とか思いとどまりました。
でもそれ以来、TCRが頭から離れなくなってしまった僕は、情報収集を始めていました。
調べてみると、GIANTのロードバイクはすでに2017年モデルに変わっているようでした。
僕の愛しの「青のTCR」は2016年モデルで、すでに生産中止、市場に出ているものしか手に入らないことがわかりました。
これを逃したら、しばらくはほしいと思うロードには出会えないかもしれない。
14万円なら、頑張ればなんとかなりそうです。
クロスバイクの処遇も、買ってから考えてもいいわけです。
よし、3回目見に行って、まだあったら買おう。
ここからが本当のスタート
そして、無事巡り会い、僕のところへ来てくれました。
まるで、昔好きだった人に偶然再会して、恋愛関係になったような感じです。
最初のクロスバイクであるESCAPE RX3も、お店で一目惚れしたようなものでした。
僕は見た目から入るタイプなので、こういう印象に残る出会いには弱いのかもしれません。
(ちなみに、3割引きの理由は、型落ち品であることと、ダウンチューブ下に小キズがあることでした。そんなもんで3割引きになるもんなんですね。)
自転車も、巡り合わせだと思います。
出会うべくして出会ったTCR、そしてRX3も一緒に、これからも走っていきたいと思います。
あなたも、いい自転車(パートナー)に出会えますように。
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