36歳の誕生日に、人生初のギターとなる、エレキギターを買いました。
僕は音楽大学出身ですが、これまでギターという楽器にはなかなか縁がありませんでした。
そんな僕が36歳にもなって、ギターを始めたのはなぜか。
これには僕が自らかけてしまった長年に渡る”呪縛”が関係しています。
今日はギターと心の呪縛にまつわるエッセイを書いていきたいと思います。
「僕はギターをやってはいけない」
時は1994年、僕は当時中学生。
時代はバンドブームでした。
遊びに行った友達の家で流れていたのは、LUNA SEAのアルバム。
当時はちょうどX JAPANの流れを組む、ビジュアル系バンドが流行ってきた頃でした。
スマートでクールな男たち(いい意味で)が奏でる、スピード感のありつつもダークな曲調のバンドサウンドに痺れました。
「かっこいい!!」
おとなしい性格だった僕にとって、それはもう衝撃的なカッコよさでした。
アルバムを聴きながら、友人から白いエレキギターを誇らしげに見せびらかされたのを今でもよく覚えています。
人並みにJ-POPなども聴いていたものの、そのとき初めて僕はギターやバンドを本気でカッコイイと思うようになり、すっかりビジュアル系バンドの虜になりました。
楽器を通じて観客側から演奏者の視点を垣間見たのでしょう。
思春期は誰しもカッコイイものに憧れ、モテたいと思うものです。
僕もこんなバンドがやってみたい、と思いました。
しかし僕は音楽一家に生まれ、すでに吹奏楽部に入って部活動にも熱中していました。
順調に行けば、公立高校の音楽科への進学も見えて来ていた頃。
「優等生なクラシック音楽一家」としての生き方と、「ダークでカッコいいロックバンド」という間で揺れました。
でも僕は”真面目な”性格だったために道を外れようとはせず、
「僕はギターをやってはいけない」
という意識が、そのとき心の奥底に出来上がったのです。
何事にも縛られずに考えてみたら出てきた答え
時は流れて。
僕は36歳になる自分への誕生日プレゼントを、先入観なしに考えてみることにしました。
- 立場や人目を気にせずに考えてみて、欲しいものはないだろうか?
- これまでやってみたかったことで、まだ挑戦していないことはないだろうか?
- やっておかないと後悔してしまいそうなものはないだろうか?
そうして出てきた答えが、
「20年前に出会ったままでいた、エレキギターを手に入れる」
でした。
自分がこの歳になってもエレキギターを欲しいと思ったことに驚きました。
手を伸ばせばすぐ手に入るところにあったのに、僕はそれに気づいていなかったのです。
エレキギターを買うと決めた僕の心は、とってもワクワクしていました。
自分を制限しているのは自分自身である
僕は音大でクラシックとクラリネットという楽器を専門で学びましたが、職業演奏家ではありません。
自分がどんな楽器をやろうがどんな音楽を奏でようが、自由なはずです。
それでも、中学校の頃に出来上がった「やってはいけない」という先入観が僕を支配していたことに気づきました。
僕は自分で自分を縛り付けていたんですね。
やろうと思えばいつでもできたけれど、できないと決めつけていたのは自分自身。
人生はやったことの後悔よりやらなかった後悔の方が大きいものです。
それなら、今からでもやってみよう。
僕は自分の呪縛を解いてみることにしたのです。
まとめ|自分自身で鍵をかけていることはないだろうか?
20年の時を超えて、憧れの楽器を手にした僕。
この先には何が待っているんだろうか?
ギターという楽器が自分に向いているかどうかもわかりませんし、方向性もどうなるかさっぱりわかりませんが、今はただワクワクしながら楽器をかき鳴らして楽しんでいます。
みなさんも、自分自身で心に鍵をかけていることはないでしょうか。
ほんのちょっとしたきっかけがあれば、それを開いて開放することができるんです。
そんな気付きのあった出来事でした。
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