自転車とパソコンは似ている。
最近なんとなく、そう考えるようになりました。
完成品を買ってきて「ただ使うだけの人」も多い中、自分の好みに合わせて一つ一つ吟味したパーツを組み合わせることもできる。
そんな奥深さを秘めているから、僕はどちらも好きになっていったのかなと思うのです。
カスタムするパソコン
パソコンは、昔はとても高価なものでした。
僕が初めてパソコンを購入した1999年は、予算20万円くらいは当たり前でした。
当時は大学1年生、パソコンは欲しいけど大学で使うわけでもないから、あまりお金はかけられない。
自作をすると安くできるというので、安いパーツばかりを集めて13万円くらいの格安予算で組んだのが始まりでした。
そこからCPUを変えてみたり、ハードディスクを追加したり、少しずつ、自分の好みや用途に合わせてアップグレードを重ねていったものです。
年月が経ち、パソコンと呼ばれるものの価格はどんどん下がっていきました。
もう、家庭でちょっとした作業ができるくらいのパソコンならたった数万円で手に入るようになりましたよね。
バリバリの3Dゲームや動画編集とかしなければ、性能も十分でしょう。
けれど、そういうパソコンは「面白くない」んですよね。
買った時点で完結してしまっていて、そこからいじりようがないんです。
もちろん、完成品をそのまま使えれば問題ないという考え方もあるので、万人にカスタムをオススメしているわけでもありません。
僕もMacbook Airを使っていますが、MBAはまったくカスタムができないので、買ったまま3年間そのままです。
MBAは「軽くてかっこいいモバイルPC」という用途で購入したから、これでいいのです。
Macはブランド力が強いので、カスタムよりそのまま使うよさがありますね。
一方で、自宅に鎮座してあるWindowsのデスクトップパソコンは自作で、使っているパーツはすべて自分で選んだものです。
何年もやっていると、お気に入りのパーツメーカーもあるし、配線処理も慣れたものです。
動画編集を始めたときには、CPUやメモリを交換して、一気に基本スペックをアップさせました。
使う側の用途によって変化をつけることができるのが自作パソコンの強みであり、面白いところですね。
僕がメインPCをMacにしていないのは、ここが譲れないから。
最初から完成された、ハイスペックのパソコンを買うのとは、パソコンに対する考え方がかなり違うのです。
カスタムする自転車
最近始めた自転車の世界。
パソコンと似ているところがあるなら、それは
「カスタムできる楽しさ」
ではないかなと思うんです。
例えば、僕が購入した「GIANT Escape RX」というクロスバイクは、ロードバイクのパーツが使えるような規格で作ってあります。
タイヤやホイールはもとより、ギアやシフターなどのコンポーネントを交換したり、ロードバイクのようにしていくことだってできます。
最初に完成品を買った時は、部分的に安いパーツが使われているところがあったとしましょう。
それを、少し投資してちょっぴりいいパーツに交換する。
すると、なんだか走りがよくなった(ような気がする)。
これは、「最初からいい自転車を買う」とは価値が違うのです。
自転車は乗る側の用途(レースやツーリング)や、体力によって最適なものが変わっていきます。
自分の好みに合わせて変化させることができるという楽しさがあるのは、とてもおもしろいものです。
自分で選んだタイヤに変えれば、タイヤに対しての考え方や想いが作られます。
レース用のタイヤに交換したら、乗り心地が変わった。(大体は「良くなった」と思うものです。)
でもそれは、耐久性や耐障害性を落とすことにもなるかもしれないのです。
そうやって経験値を少しずつ上げていくのが、カスタムすることの楽しさじゃないかなと思います。
そうして手を掛けた自転車に乗ると、なんだか景色が違って見えるものです。
カスタムできる楽しさ
パソコンでも自転車でも、ネットの情報を見ていると、
「そんなに金をかけるなら、最初から同じ値段でいいやつ買っておけよ」
とか言われていることがあります。
そりゃートータル金額で見れば、完成品の方が安いに決まってるんです。
でも、そうじゃないんですよね。
絶対に違う。
自分で試行錯誤しながら、次に付けるパーツを選んでいくから面白いんです。
世界にひとつだけのものになるから、愛着が湧いて名前をつけたりするんです。
カスタムの世界では、オーバースペック上等です。
あまり活躍しないけどCore i7やメモリ16GBを積んでてもいいんです。
自分で完璧にメンテナンス可能なハイスペックPCを母艦に持つと、とても頼もしいものです。
クロスバイクに軽量ホイールや11速コンポーネントを付けたいなと思ってもいいんです。
そのへんのロードバイクを、クロスバイクでぶち抜いて優越感に浸るのも楽しいものです。
そういうのが趣味の世界の楽しさってものじゃないでしょうか。
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