クラリネットアンサンブルの枠にとらわれない、クラシックありジャズありの楽しいコンサート。
クラリネット好きな人もそうでない人も、「くにくら」のライブに行けばクラリネットの魅力を体いっぱいに感じることができるはず。
そんな大満足の「くにくら」ライブレポをお届けしましょう!
くにくらとは
国立市付近に住んでいたクラリネット奏者が集まって結成されたという、クラリネット集団「くにくら」。
メンバーには、東京佼成ウインドオーケストラの大浦綾子さんや、国立音楽大学講師の大和田智彦さんなど、国内の実力派クラリネットプレイヤーが名を連ねます。
そしてスペシャルメンバーとして日本ジャズクラリネット界の至宝、谷口英治さんも参加しています。
毎回ゲストを迎えながら、年1回程度のコンサートで活動されているようです。
今回僕がくにくらのライブに行った理由は2つ。
いつもお世話になっている大浦さんと大和田さんに、以前からお誘いいただいていたこと。
そしてもう一つは、噂に名高い谷口英治さんのパフォーマンスを間近で体験してみたい!と強く思ったからでした。
やっぱりアコースティックな音楽は生で「体験」してナンボですからね。
ガーシュインな夜
今回の会場は、大久保にある石森管楽器のライブホール。
ドリンクなどをオーダして一緒に楽しめるスタイルでした。
こういう小さな箱でやるライブは、演奏者がとても近いので、ライブ感たっぷり。
アルコールでも飲みながら聴くと本当に楽しくて、まさに「大人の贅沢」っていう感じです。
「Everyone Love Gershwin!」
と題して、ガーシュイン特集だった今回のコンサート。
クラシックとジャズの融合といえばガーシュインと言われるくらいですから、くにくらにはピッタリです。
まずはクラリネット6重奏編成で奏でられる、整ったクラシック的な響き。
メンバーの中でクラリネット属最高音を担当するエスクラリネットを演奏しているのは、エスクラの名手、大浦さん。
少し甲高い響きのしやすいエスクラですが、大浦さんの音はとても柔らかくて優しいのです。
テクニックも素晴らしいので、色とりどりの鮮やかな音色でハーモニーという波の上を駆けまわります。
各プレイヤーの巧みな演奏を、目の前でじっくり楽しめるのが、小さなライブのいいところですね。
唐突に始まるジャズセッション
ややクラシック的な前半があっという間に終了と、休憩を挟んで唐突にジャズセッションが始まる。
普通のクラシックの演奏会ではこういう展開はあまり無いですよね。
こういうのがくにくらの面白いところですね。
ジャズクラリネットの谷口さんと、ウッドベース(コントラバス)斎藤順さんのセッション。
おふたりともバリバリのジャズプレイヤーなので、アドリブの応酬が圧巻でした。
この頃になるとお酒も回っているので、最高に楽しいです。
ジャズって歳をとるほどに心地よくなってくると思うのは、僕が歳をとったからなんだろうか。笑
知っている人の方が驚くサプライズ
ジャズクラリネット・ウッドベースのデュオにエレキギターが加わり、トリオになった。
ギタリストはなんと・・・大和田さんだ!
クラリネット奏者の大和田さんがエレキギターでジャズセッション。
しかもジャズプレイヤーふたりと「普通に」セッションしているのがすごすぎる。
大和田さんには親しくしてもらっているのでよく会うけれど、本当に多彩な人で素晴らしいなと思います。
これにはお客さんも大盛り上がり。
大和田さんを知っている人の方が驚きが大きいという、面白い演出ですね。
どうやらエレキギターは毎回弾いているようで、だんだん上達してきているとか。
今後の活躍が楽しみですね!(エレキギター的な意味で)
他では聴けない、くにくらの面白さ
そしてライブは、クラリネット7人+ウッドベースでのアンサンブルへ。
谷口英治さんがリードを取りながら、どんどん音楽が盛り上がっていく雰囲気が心地いい。
箱が小さいので、会場の後ろの方でも演奏者の息遣いを十分に感じられる。
ライブの会場の一体感というのは、その場にいってみないとなかなかわからないけれど、これは本当にやみつきになります。
大満足のライブは、あっという間に幕を閉じていきました。
谷口さんに会うのは初めてだったので、ごあいさつをさせていただきました。
とても気さくな方で、ライブでも伝わってくる穏やかでジェントルな雰囲気が素敵な方でした。
図々しくもCDにサインまでいただいてしまって、嬉しかったです。
これの耳コピ、頑張りたいと思います。
くにくらの魅力とは
くにくらの魅力は、メンバーの実力の高さからの演奏のクオリティもさることながら、枠にとらわれない自由な音楽のかたち。
最初にご紹介したとおり、メンバーは全員クラリネット奏者ですが、クラシックとジャズが混ざっています。
ライブでは、クラシックとジャズが融合した楽しいステージが聴けること間違いなしです。
しかもアレンジはメンバーが担当していることも、くにくらの特徴のひとつでしょう。
鮮やかで多彩かつ大胆。
ライブを聴いた感想を加えると、くにくらにはそんな言葉が似合うと感じました。
興味のある方は、下の公式Webサイトから情報をチェックです!