クラシック音楽が好きで、よく聴いているという人はたくさんいます。
けれど、クラシック音楽の初心者の人は「どう聴けばいいのかわからない」という人もたくさんいると思います。
よく初心者の人がオムニバス形式の「クラシック名曲集100」みたいなのを買ったりしています。
手っ取り早く名曲を知るにはとても便利なものですが、なかなかそこから展開して行きづらいのも確かです。
そこで、僕が提案するのは
- 軸を決める
- 横に展開をしてみる=興味を広げる
- 縦に深堀してみる=深く追求する
という手法です。
曲、作曲家、演奏者はソリスト、オーケストラ、指揮者などでもまったく違う演奏に変わりますし、その組み合わせは無数にあります。
組み合わせが多すぎて、ただ聴いているだけでは、なかなか自分の好みもわからないのです。
狭い範囲から少しずつ広げてみよう
例えば、あなたがピアニストの辻井伸行さんがお気に入りだったとします。
辻井さんの演奏はホールでも何度か聴いていて、CDも持っているという感じにしましょう。
1.ひとりの演奏者を聴く
「演奏者が好き」から始まった場合の横展開は簡単です。
その人が弾いているCDなりコンサートなりで、自分の好みにあった曲や編成(ソロやオーケストラ付きなど)がわかってくると思います。
これだけでは、なんとなく好きで聴いているけれど、どこがいいかと言われると、よくわからないという人も多いはず。
もちろん、辻井さんそのものの魅力にひかれている部分もありますよね。
純粋な音楽の好みとしては、比較対象を知らないから「よくわからない」と思ってしまうのです。
2.好きな曲を別の演奏者で
色々な曲を聴いてみたところで、あなたが好きな曲を少し掘り下げてみましょう。
例えば、辻井さんの弾くラ・カンパネラが好きだったとしましょう。
その好きな曲を、他の演奏者で聴き比べてみるのです。
ラ・カンパネラくらい有名な曲であれば色々な人が録音していますから、探すのは簡単です。
もちろんYoutubeでもたくさん見つかります。
Googleで「有名ピアニスト」などと検索すれば、ラン・ラン、アルゲリッチ、アリス紗良オットなど、著名なピアニストはたくさん出てきます。
CDなどの音源を探してもいいと思います。
複数の演奏家で同じ曲を聴き比べてみると、違いをはっきりと感じることができると思います。
演奏者の性別や、録音された時代によっても、表現は随分違ってきます。
それぞれの良さがあって、でもどこかが違う。
その「違い」を知ることで、より好みがはっきりとしますし、なぜそう感じるかを探ることは、自分の内面を旅するよい刺激になります。
3.好きな曲の作曲家を聴く
好きな曲を少し深堀りしたところで、そこからさらに広がっていきましょう。
ラ・カンパネラはリストが作曲したピアノ曲です。
リストの超絶技巧練習曲集を聴いてもいいですし、ピアノ協奏曲は壮大なオーケストラの広がりを感じることもできます。
ここまでくれば、ピアノから離れてみてもいいでしょう。
リストはピアノ曲が有名ですが交響詩というジャンルを作ったとも言われていますし、オーケストラの作曲が得意だったので、名曲がたくさんあります。

4.同年代や同地域の作曲家に展開する
縦、横のつながりから紐解く場合、クラシック音楽の場合は「年代」や「地域」もポイントになります。
リストはハンガリーで生まれてヨーロッパで活躍した作曲家ですが、同じ年代にはドイツのシューマン、ポーランドのショパンなどが有名です。
ピアノが好きならショパン、シューマンなどの「名曲」と言われるピアノ協奏曲などを聴いていくのもオススメです。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
ここまでくれば、どんどん興味を広げていけるのではないでしょうか。
名曲を手当たり次第聴いていくよりも、演奏者や楽器、作曲家など、何か軸を決めて少しずつ縦や横に広げていった方が、自分がどんな曲・演奏が好きなのかがよりはっきりしてきます。
同時に、作曲家同士の繋がりや曲調との関連性などもわかってくるので、ますます楽しくなってきますよ。
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