一度完全に楽器をやめた僕が「クラリネット奏者」としてステージに立った日

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先日、とある地域の年長者向けクリスマスコンサートに、クラリネット奏者として参加してきました。

3年半前から楽器を再開して、吹奏楽やアンサンブルで出演することはありました。

でもそれは、団体としての活動であって、僕も大勢の演奏者の中のひとりにすぎません。

昨年のクリスマスに余興で少し演奏したことはあったけれど、それはあくまで出し物的なもの。

今回はちゃんと依頼と報酬があって、自分の名前と楽器を持った写真もチラシに掲載されています。

「クラリネット奏者」

として人前で演奏するのは、本当に10年振りなんだな、と思うと、とても感慨深い気持ちになりました。

僕と音楽の関係

僕が楽器をやめたのは、音大を卒業して2年目。

IT企業に就職した僕は、音楽から逃げるように仕事と勉強に没頭しました。

ほどなくして、こころと体を壊して何もかも失った僕は、数年間再起不能になりました。

もう一度、自己実現をしようと奮い立ったものの、夢がなんだかわからなくなって意気消沈。

自分が本当にやりたかったものってなんだっけ?

そんなことを考えて行き着いた先が

「音楽」

でした。

プレイヤーとして一線で活躍できなくてもいい。

それでも、音楽を通じて誰かの役に立ちたい。

そんな思いで勉強を続けながら、活動の一環として楽器をまた始めることにしました。

7年という時間は、音大を卒業した演奏者を素人まで衰えさせるには十分な時間でした。

それでも、恥を忍んで少しずつ練習して、地元の吹奏楽やアンサンブルの演奏会に出演してきました。

突然の出演依頼

夏の終わり頃、突然大学時代の先輩からLINEで

「クリスマスコンサート2ステに加わってくれる素敵な王子様募集中〜♪」

という突拍子もないメッセージが舞い込んできました。

先輩は僕が楽器を続けているのを知っていたので、地域の小さなクリスマスコンサートに声をかけてくれたのでした。

サラリーマンをしながら依頼演奏を受けるのはなかなか難しいのですが、本番は土曜日、練習も調整できそうだったので、二つ返事で快諾したのでした。

今の自分で最善を尽くす

LINEで打ち合わせを行いながら、曲を決め、練習を開始しました。

夏には地元の演奏会もあるので、楽器練習はほそぼそと続けていたものの、「団体のなかの1人」と「個人」としてステージに立つのは、気の持ちようが随分と変わります。

僕は「クラリネット奏者」としてステージで紹介されるんだと思うと、自然と練習にも力が入りました。

チラシとプログラム用に、写真とプロフィールをくださいと依頼がありました。

これまで演奏者用の写真って撮ったことがなかったので、自分で撮影機材を駆使して撮りました。

肩書と写真があると、なんとなく「クラリネット奏者」っぽく見えるものです。

全然練習量も少なくて、それこそ音大生よりも下手くそだけど、今の自分にできる精一杯の演奏を見てもらおう。

そんな気持ちでコンサートに臨みました。

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アンサンブルはもともとあまり緊張しないので、他の人に助けてもらいながらいい演奏ができたと思います。

1曲あった僕のソロ曲は、ちょっと心残りのところもあったけれど、今の僕の精一杯を貰えたのかなと思っています。

ステージが終わってホッとしたけれど、何よりお客様に楽しんで貰えたことが一番嬉しかったです。

感無量。

アットホームで、暖かいステージで、よかった。

メンバーのみなさんともたくさん話せて刺激をもらってきました。

新しい演奏家のカタチ

これを機に、少し人前で演奏できる機会も増やしていこうと思っています。

個人で色々なことを企画して実現できる今だからこそ、僕のような人がどんなふうに活動できるか、自分自身で実験していきたいのです。

有名オーケストラのプレイヤーが大手企業のサラリーマンなら、僕はフリーランスで枠にとらわれず、自分の好きなことを表現・実現できるプレイヤーでありたい。

なんとなく方向性も見えてきたので、色々試していこうと思います。

 

コンサートに誘ってくれた大学の頃から姉のような存在の彩子さん、共演してくれたお二方、イベント運営委員の方々、そしてたくさんのお客様たち、本当に、本当にありがとうございました!!

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