2015年12月11日、東京赤坂にある紀尾井ホールにて開催された、オーケストラ・アフィアの演奏会を聴いてきました。
オーケストラ・アフィアについて
オーケストラ・アフィアは、国内外で活躍する指揮者中村大祐氏の創設した室内オーケストラ。
メンバーは若手が中心ですが、都内オーケストラの首席奏者なども多く在籍しています。
在京のプロオーケストラに引けを取らないクオリティの演奏をするだけのポテンシャルを持った団体です。
オーケストラ・アフィアの演奏会は2度目ですが、演奏のクオリティは非常に高く、演奏会そのものの企画力あって、活躍が非常に楽しみなオーケストラの一つです。
オーケストラ・アフィア第8回演奏会
武満徹/How slow the wind
ラヴェル/組曲『マ・メール・ロワ』
マーラー/大地の歌(日本初演版)
「自然と音楽」シリーズを展開しているオーケストラ・アフィア。
今回の目玉プログラムはマーラー作曲の『大地の歌』です。
大地の歌は1908年に作曲され、マーラーにとって9番目の交響曲とも言われいる、声楽の独唱2人を伴う管弦楽曲。
(その実は管弦楽による伴奏を伴う連作歌曲という性質が強く、交響曲と呼ぶには適切ではないという声もあります。)
歌が入ることで印象強く残るため、マーラーの作品の中でも特に有名な部類に入るでしょう。
本来100人弱の大規模編成で演奏される大地の歌ですが、今回の演奏会で披露されたのは、室内オーケストラ用に編曲されたもの。
演奏前には指揮者の中村氏から、
「オーケストラの規模が半分になったことで、独唱2人の存在感をクローズアップすることができる」
という説明がありました。
僕は大地の歌を録音でしか聴いたことがありませんでしたが、小編成オーケストラによる演奏となることで、独唱がメインの「歌曲」としての性質が強くなるような印象を受けました。
特に、テノールのソリスト、フィンランド人のトーマス・カタラーヤさんが、声量も表現も迫力があり、素晴らしい歌を聴かせてくれました。
オーケストラ・アフィア自身も、統率の取れた室内オケらしい緻密なアンサンブルを展開し、紀尾井ホールの美しい音響の中で十分に楽しむことができました。
残念だったところ
惜しむらくは、観客動員数の少なさ。
あえて書かせていただくと、観客が少ないだけで、演奏会の成功度はどうしても下がってしまいます。
曲目、会場、企画、演奏者、演奏内容ともに素晴らしい内容だったのに、とてももったいない。
僕が個人的に気になったのは、高すぎるチケット料金。
S席15,000円はかなり挑戦的な価格設定のように感じました。
ちなみに、NHKホールで行われるNHK交響楽団の第九演奏会がS席15,000円です。
値段は絶対的なものではないので、同じ値段で売れるなら問題ないのですが、空席があるなら話は別です。
2時間のプログラムで15,000円払ってもらうには、相当な努力が必要です。
内容がよかっただけに、これだけが本当に残念でした。
Webサイトを見ても、SNSやオンラインチケット販売など、プロモーションに手を抜いているとは思えません。
事務局の方ももちろん販売の努力をされていると思いますが、次回はぜひ、ぜひ、満席に近い状態での演奏会を期待します。
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